秋のラーメン祭り(7-6)

  • 三保街道の老舗・来来軒で『ラーメンと餃子』

このところこの日記には清水とか三保というコトバが頻出していることにお気づきの諸兄にちょっとだけその説明をさせていただこうかな、と思う。

三保半島は駿河湾奥に位置し清水港を形成する長さ4km幅1kmの砂嘴(さし)と呼ばれる地理の半島である。右のフォトでイヌの横顔のようなカタチで突き出ているのがそれ、中央奥に富士山、右奥から中央にかけてに富士・富士宮の市街地、左手前が静岡市清水区、フォトの手前フレーム外に日本平という配置だ。清水港はこうした天然の地形を利用した良港で中央一番上から逆時計まわりに新興津埠頭・興津第一埠頭・興津第二埠頭・袖師第一埠頭・袖師第二埠頭・江尻埠頭・清水埠頭・日の出埠頭・富士見埠頭と巨大な港湾施設を擁している。詳細はhttp://www.portofshimizu.com/をご覧になってくださいね。
三保半島内側は造船所や各種関連産業そしてアルミニウムの製錬所など工業地帯として発達したが、その一方で外側はかの有名な天女伝説“三保の松原”と絶景富士山を望む名勝地なのである。

そんな三保の折戸地区に毎日シゴトでゆくことになったもんだからなんとなく書いてしまうのよ。そして某事情で手弁当を実践出来ない日もあるから昼めしの心配もしなくっちゃならない。まあこーゆー性格だから事前に周辺のチェックはきっちり済ませてあるのさ、慌てることはない。
ちょっとメをつけていたのはいかにも老舗っぽい外観と風格の中華料理店「来来軒」さんである。暖簾をくぐると想像していた通り昭和レトロな店内とサッカー王国静岡の地元チーム・清水エスパルスの選手の色紙がズラリと掲げられた壁面があった。

当然注文はそのお店の実力判定モノサシとなりうるごくフツーの『ラーメン』だ。そして平素とは違いシゴトの時だけはパワーとカロリーが必要なので餃子もオプションで単品注文する。

提供されたラーメンは「やはり!」とヒザポンしたくなるくらい超コンサバなスタイルが貫かれていて本当に嬉しかったな、いや〜こーゆーラーメンって久しぶりじゃん…あぁ美味しい。チャーシュー、メンマ、ナルト、海苔、ネギ…これでいいんです。澄んだ鶏ガラだしに微かに加えられた魚介の旨味、そのかぐわしい湯気に包まれるシアワセは何物にも代えがたいじゃないか。
そして驚きは麺が手打ちってこと、多分だけど。ツルツルした喉越しの中細平打縮れ麺…こーゆーのは自家製手打じゃないと出来ないんだよ。スープは若干醤油の塩っ気が強いけど問題視するほどの濃度ではない、かなりイケてる範囲に収まっている。ちょっと面白かったのは板海苔ではなく炙った感じの岩海苔のようなものがトッピングされていたことで、こいつがまたスープを吸って味わい深くなっているのよね。

餃子も特にコメントするほどの特異な部分はない。皮は薄くて柔らかく、静岡市中心部に多い“ニラたっぷり”の餡はあまり歯ごたえを感じないタイプである。ビールの肴にするときは餡にもレジスタンスが欲しいけど、ラーメンの相棒にするときはこれくらいのほうが食べやすくてスキだ。
それにしてもヤケドするんじゃねーかってくらいアチチのナカミにエロおやぢの額には暑くもないのにアセが吹き出してしまったではないか。ラーメン〜餃子〜ラーメン〜餃子…と休みなくクチに運ぶ動作はストップを拒む快楽に満ちているのだよ。
そして気になるのが(このお店のウリってナニなんだろうか)ってことなのね。周囲のお客さんが注文しているモノを見ると、どれもたいていボリュームのある盛り付け、麺類だけじゃなくって定食を注文するヒトもけっこー多い。
よくあるランチメニューってのはどうやらやっていない様子で、壁面に貼られたお品書きから選ぶのみである。しかしそのお品書きもずいぶん年季の入ったモノで、紙に書かれたものの方は黄変も激しく周囲がボロボロに崩壊しつつあるのだよ。常連でもないのに「いつからお店やってるんですか?」なんて訊けないからね、なんだか調べてみたくなっちゃった。

次々と運ばれる定食のお盆には爆盛り鶏唐揚が乗っていたり、半ちゃんラーメンのチャーハンがどう見ても普通サイズだったりと、なんだかこのお店はタダモノではないように思えてきた。う〜む、そうチャンスはないかも知れないが努めてコチラを利用するよう速やかに算段し、その本質と実力を知りたいところである。残された日数はあと僅か…昼めし予算も次月給与までの間を睨んで補正しなければならないから苦しい日々は続くのである。しかしこのままヨダレをたらして見送るわけにもゆかないしね、さあどうする…


中華料理 来来軒
静岡県静岡市清水区折戸505−4
TEL=054-334-1968
ACT=11:30-13:30 / 17:00-22:00 (日祝〜21:00) 月曜定休


クリック↓↓↓で応援をお願いします