ハーブクリームチーズ入りのトマトソースパスタ

キノコのパスタはもう少しのガマンね。って、本当のキノコのシーズンはとっくに終わってしまっているワケであり、ただ単に秋のイメージでしかない。
しかしバターやクリームに合わせるとその旨味や香りがグ〜ンと引き立つキノコ類なので、この残暑にそうした料理は少々キツいかな…という判断なのである。

そこでシンプルにトマトソースだけのアッサリしたものからほんの少しだけコクを乗せたパスタを作ってみた。ベーコンを加えた「アマトリチャーナ」というのも悪くないが、市販品のソースもあったりして面白くない…と違うモノを仕立てるヘンクツなエロおやぢである。
製菓用に使うクリームチーズにガーリックやバジルといったハーブ香辛料をコンカッセし加えたものはそのままパンに塗って食しても非常に美味しいスプレッドで、オリーブオイルやワインでで伸ばして柔らかくすればディップのようにも使える。
コレをコロコロと小饅頭のように丸めてトマトソースで和えるパスタの仕上げに数個投入してやるだけのクイックレシピではあるが、カンタンに出来てしまうワリに奥深い味がするのはやはりチーズのオカゲというものだろう。
最初から入れてしまうとクリームチーズが完全に溶けてトマトクリームになり、カニやエビなどを入れてしまいたくなるソースになってしまうので、ココはグッと堪えて最後に登場させるのだな。表面が少しだけ溶けトマトソースにマーブル模様を描くように仕上がれば上出来だ。さっぱりしているのにナゼかコクも感じる…というひと皿はこのタイミングでしか生まれない。
最初食しているときはトマトの酸味や香りがイキイキと伝わってきて、そのうちにチーズの旨みやハーブの香りがトマトソースに加わり始め、なんとも悩ましいおいしさに変化してゆく楽しみがある。
ちょっと冷やし気味の赤ワインがいいお伴になってくれる。皿に残ったソースを拭き取るバゲットもお忘れなきよう…