西伊豆で念願の名物『きびなご寿し』

そのお店の前はもう何十回通ったか判らない。
駿河湾を右手に望みながら沼津から石廊崎・下田方面に向かう国道138号線は直線部分がほとんどないので絶え間なくハンドルとブレーキの操作をしなければならないけれども、その分エキサイティングなドライブを楽しむことが出来る。ワインディングにコーフンしつつ降りてきたカーブの左手に突然現れる…というカンジなので「あっ!ココだったじゃん」と思った瞬間にはその前を通り過ぎている次第であって、そのつもりでないと一発着地は難しい。

アソビに出かけるときはたいていその日の昼食をナニにするか決めずに出発することが多いので、現地に行ってから探すという時間ロスやテマ、思うようなお店に巡り合えないリスクもある。しかしネットやガイドブックにはない掘りだしモノのお料理に当ったときのヨロコビも間違いなく存在するのであって、ボクはどちらかと云えば後者のワクワク感を採りたい。やっぱり人生はこうでなくっちゃねぇ。

そう、何度も通っているので(「きびなご寿し」というものがこの辺りの名物らしい…)と云うのは何となく解ってはいたが、毎度(次に来たときに食べればいいじゃん)みたいに先送りされ、何度も同じ失敗を繰り返すバカ者なのであった。
そうこうしているうちに静岡の地方民放グルメ番組に登場してしまいかなりアセりを感じていたところに、首都圏の局があの有名なソムリエ・田崎真也さんを送り込んで「きびなご寿し」を賞味していただく…と云う番組にトドメを刺され、いよいよジッコーしなくてはならないなあ〜となってしまったワケである。
そんな時に伊豆のド真ん中でのシゴトがあって、まさに“渡りに船”なのであった、こりゃついでに行くしかないじゃん♪なのだな。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
コチラのお店は「きびなご寿し」一本勝負であって、それ以外のメニューはほとんどない。プレーンな握りとヅケ握りをコンビネーションさせた8カンのものか、プレーン4カンに地魚握り4カンを乗せた“本日の日替り盛合せ”で、どちらも吸い物つきで¥1500である。

メニューボードに書かれていた地魚の名前を見るとホントに近くの漁港で水揚げされたものばかりで、寿司の定番であるマグロやブリ・甘エビ・ウニ・イクラなどといったものは一切ない。う〜む、スバラしいではないか!だいたい“本日の地魚握りセット”なんて頼んでも「オマエ、コレってドコの地魚だよ」みたいなお店が殆どの中、これはホンモノだよと断言できる。
運ばれてきた板には素朴ながらも新鮮で美しい魚たちが盛合わされていた。本命のきびなごは1カンに3尾が使われていて、茗荷と白ゴマを挟んだもの、そして大葉と針生姜の組み合わせにしたモノが各2カン。地魚はセグロイワシトコブシメジナ、ブダイのヅケ…いや〜ん♪お酒を一本いただけますか?とイキたいところだが、なにせシゴトちうなのである。あ、その前にクルマで来てるんだっけ… と、セットのお吸い物で堪えることにするが、このお吸い物も侮れないデキであって、大きな椀にイサキのアラや近海の海藻などがあしらわれていてジツに奥深いお味なのである。旨い。

いや〜「きびなご寿し」ってこんなに美味しいものなんですね!まるでサヨリのように透明感のある旨味が優しくクチに拡がる。チラシや押し寿司ではいただいたことはあったが握りは初めて、あ〜よかった…初めて食べたものがイマイチだとがっかりするし、そのアトの食生活にまで影響してしまうからなあ。
滑らかで繊細なお味は皿盛のお刺身を食すのとはまた違った楽しみがあって一度食せば忘れられないお味だろう、文句なしに特賞を差し上げたい。
一緒に並んでいた地魚たちはドレも格別な鮮度で極上のお味だったが、特に印象テキだったのはブダイのヅケ握り。水っぽいと思っていたブダイがこんなに緻密な旨味を持っている魚だとは思わなかったのね、エロおやぢもカンゲキなのである。

イートインは多少高めのお値段だが、この内容を考えるとホカと比較するのは意味がないと思えるほどお値打ち感がある。
西伊豆に行ったらココに立ち寄らなければ気が済まない…と言っていたヒトがいるのも頷けるハナシだ。あぁ、また食べたいなあ…お酒つきでさ。


きびなご寿し 味千あじせん)
静岡県伊豆市小下田1906-1
TEL/FAX=0558-99-1500
ACT=8:30-17:00 売り切れ次第終了 木曜定休
MAP





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東北地方太平洋沖地震義援金
あなたが今スグできること…
http://volunteer.yahoo.co.jp/disaster/list/0047.html





「旧大沢学舎」
昔のヒトはエラかったな… 私財で小学校まで建てちゃうんだから



DATA
旧大沢学舎(伊豆松崎・道の駅「花の三聖苑」内)











う〜様
三万尾に一尾位の割合で金色のキビナゴがいるんですよ…
こんにちは! ええ大ウソです(´▽`*)アハハ やっぱり涼しげな銀色がいいですね、ひかりもの。寿司屋に行ってあれば必ずコハダをお願いするんですけどね、このキビナゴのように小さなシンコってやつはなかなかありません。
女性がスキな「ひかりもの」はサイフが寒いくらいに涼しくなるんで、ねえ…ノ(´д`*)



Lotさま
おはようございます!
黒潮の魚ですから房総半島あたりまでは漁獲されるようですが、やはり本場は九州鹿児島ですか… ボクもずっと九州の魚だとばかり思い込んでいましたが、よく考えると昔から静岡ではスーパーの鮮魚コーナーに並んでましてね(´▽`*)アハハ
西伊豆・松崎ではコレをイカダ状ににした干物も名物らしいです。先日は時間が無くてソレを購入出来ませんでしたが、次回は寿し喰って干物買って…というゴールデンツアーを敢行しますよ\(≧▽≦)丿



チャッピ〜☆彡さん
おはようございます!
そうそう、出所だけは知りたいよね…流通が発達してる今は鮮度もさほど変わらず遠い所で食に供されるだけに、なんだか知らないモノをクチにするってのは幼稚なカンジかな〜(´▽`*)アハハ
白身の魚って淡白なだけに、薬味でその旨味がぐ〜んと違ってきますね。魚の種類によって薬味を変えてくるなんてサスガだなあ、また新鮮じゃないとそーゆー芸は意味のないことだしさ(^o^)b
西伊豆っていい所なんですよ、富士山を眺めたり駿河湾に沈む夕陽にウットリしたり… そして何と言っても海の幸♪ みんなで温泉民宿に泊まってワイワイやりたいねえ〜ヽ(´∀`)ノ