長い収穫期に感謝… 静岡県清水『有度梨』

静岡市と旧清水市の間にまたがって“日本平”と云う小高い山というか丘陵があり、その北東斜面側に有度(うど)地区がある。昔から梨の栽培が盛んで収量はそう多くないもののツウの間では美味しい梨としてちょっと隠れた名品なのよ。

例年ならば7月の末、遅くとも8月のお盆前には買いに走るのだが、今年はなんだか行きそびれてしまって「しまった〜!」なのである。それでも(もしかしたら…)という期待を込めて先月の末に行ってみた。
往復のガソリン代など考えるとけっこーな出費になるので、あればヨシ、なければ大損害…イチかバチかの勝負なのであったが、なかったらヤケクソで“一元本店”に突入して名物の巨大餃子&麺を覆い尽くす強力チャーシュー麺を喰いまくって満腹とも後悔ともつかないキモチでハラをさすりながら帰ろう…などとしょーもないコトを考えつつ清水に向かった。

直売所に到着すると「有度梨」と染め抜かれた幟旗がハタハタとハタめいていてひと安心なのであった。よくもまあこんな時期まで売っていたものだ… もしかしたら今年は猛暑と雨のせいで果物類の結実が遅れたというから、ここの梨もそうした影響を受けたのだろうか… と販売者の井上さんに訊くと
「毎年7月の20日くらいに初収穫だねぇ。で、その年にもよるんだけんどもよぉ、だ〜いたい9月の10日っくらいかな、終りになるのは。前半は“幸水” でもってさ後半が“豊水”なんだよ」
とのお答えだったのね、な〜んだ…そう慌てなくても良かったのか。
いろいろ面白いお話をたくさん伺ったが、一番興味深かったのは彼の梨園の様子についてのことだった。
「ウチの梨園は日本一雑草が多いのさ、もうボーボーなのよ」
清水は昔から水ハケの悪い土地として有名で、ちょっと雨がふると道路が川のようになってしまい、ボクもそうした場面に出くわしてかなり危ないメに遭遇したことが何度もあるくらいだ。
ところがそのボーボーの雑草が樹の根まわりの土砂流出を防ぐばかりでなく乾燥時の保水にも役立つようで、常に水分の供給を必要とする美味しい梨づくりに欠かせないのだと云う。う〜む、ココの梨が美味しいのはそういったワケがあったのか。
ウキウキと持ち帰り冷蔵庫で冷やしてシャリッと食べてみる。とにかく香りが良い。瑞々しくて甘いのはアタリマエ、やはりこの淡いトーンのなかに流れる梨独特の香りにハイライトがなければ美味い梨とは言えないのだな。わざわざお出かけして購入してくる価値がそこにある。


有度梨直売所
静岡県静岡市清水区川地24-9
井上富夫さん
TEL/FAX=054-345-6647


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有度梨直売所




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5:28AM, September 13. 2011. @Fujinomiya-City