お正月までとっておけばよかった…『あなごの昆布巻』

正月のおせち料理に欠かせない昆布巻、当家に於いては長年自家製の“鰊(ニシン)の昆布巻”がその座に君臨しているわけだが、小売店で既製品のソレを購入してこようと思うとナカミはその鰊を筆頭に鮭・鮎・鰤などいろいろあって迷ってしまうのだな。
どれも美味しいし何の不満もないがやはり王者は鰊ではなかろうか…深い旨味、柔らかな昆布との食感対比、ダシ醤油との相性…どれを取っても鰊に勝るものはないと思っていた。
ところがである、そこに強力なライバルが現れた。暖海性グネグネ系喰いつき派“あなご”様である。いただきモノでこれをテにしたが、見た瞬間に(ヤラれたぜ…)と思った。そう、一瞥しただけでその美味さがビビッと伝わってくるのを感じたのである。


鰊が東の横綱なら、あなごは西の横綱か…チカラ技的硬派な取り口が持ち味の鰊とはベツの魅力があって、まったり粘り腰の技巧派といったカンジでジツに楽しい。干瓢は鼈甲の賞金飾り、昆布は強さの象徴である黒い化粧廻しに見えてくる。
昆布との一体感も特筆すべき点であって張りつくように身を寄せ合ってネットリ押し倒す姿は、鰊が昆布とタッグを組み大技でうっちゃる豪快さとは違う繊細な技巧に感心してしまう。
真空パックで日持ちもしたし、あぁお正月までとっておけばよかった…とお楽しみを先に使い切ってしまったかのような喪失感さえ覚えた。



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今朝の富士山
うすら寒い曇天
零℃と寒くないはずなんだけどな、なんか見た目でダメ…



8:38AM, December 22. 2011. @Fujinomiya-City