年末年始やたら美食カオス酔夢譚《元旦晩餐編》

ベツにステーキなんて肉を焼けば出来るものでしょ。美味しさなんてニクの質次第、高いニクを買ってくれば誰だって上等なステーキが食べられるってもんさ…

とお思いのアナタね、ソレってトーシローの大いなるカン違いなんですから。確かにお高いお肉はそれなりにいいもんだけど、美味しく食べるには確かな経験技術やチエが必要なのよ。
味付けや香辛料をどうするかとか加熱プロセスはナニにするかなどのモンダイはもちろんだが「先ずは新鮮なお肉を適温に調整してやる」という極めて基本テキな第一歩からスタートしなければ絶対に美味しいステーキにはありつけないのだな。
ってなことで年末に隣り町のスーパーで購入してきた和牛ヒレ肉は昼過ぎには冷蔵庫から取り出して夕方からの宴のためにスタンバイさせておいたのよ、まあこれさえ押さえておけばあとはエロおやぢの経験とカンでオッケーなのである。

ニクを冷蔵庫から出したので安心して油断ぶっこきズボラ正月をキメ込むつもりだったが、世の中そう甘くはないのね。昨年末からその実が鈴なり状態で放置されている当家の柚子は「そのままにしておくと樹が痛んじゃうよ。やはりキチンと収穫して欲しいなあ」と語りかけてきた。
過ぎてしまったことはどーにもならないけど、これからのことを考えると(暖かく穏やかな日和の今日やっちまったほうがいいかな…)なのであって、それが元旦だろうがなんだろうがジッコーあるのみ!思い立ったが吉日ってなもんだ。
夕方近くになってしまったけど小一時間かかって柚子を丸ハダカにしてやった。収穫した個数はざっと200ケ以上、重量は10kgくらいあると思う。果汁は搾ってポン酢、皮はまたグラニテにでもしようかしら。
気がつけばねじりんぼ飴みたいなオキザリスの花つぼみや真っ赤に染まった壇(まゆみ)の葉が日没前の斜光線に照らされ寒風に揺れていた。おぉ、そろそろ宴の支度じゃ〜♪なのである。

ちょっと大枚をつぎ込んだステーキ肉なのでちょ〜美味しいことは判っている。それだけに付け合せはシンプルに、そして前菜もそう華やかにする必要はなかった。食卓を彩るお酒は赤ワインと決めていたので相棒はチーズ、そしてオリーブの塩漬けなどあれば上等か。ジツはパンを買っておくのを忘れたのはナイショの話でね、まあソレをカヴァーするためにグリッシーニなんぞを慌てて引っ張りだしてきた。
そのチーズは泣く子も黙る青カビ派の雄=ゴルゴンゾーラ・ピカンテとウォッシュタイプのマイルド派=ポン・レヴェック。オリーブは静岡のイタリアンで購入してきたバジル&アンチョビ風味のもの。

手で持つと脂が柔らかく融けだしてくる和牛フィレ肉はビッシリとサシが入っていて(う〜む、このまま焼くとカタチが乱れてしまうよね)てなことで周囲を軽くタコ糸で巻いて焼崩れに備えた。そして海人の藻塩とミックスペッパーを粗くミル挽きしたものを優しく振りかけ馴染ませてから中火の鋳鉄製フライパンにオンしてやるのさ。
表面に焼き色がつくタイミングを慎重に図りターンしてやるのだけれどココはリトライは許されない一発勝負なのであって厨房に緊張が走る…って大袈裟だよなあ、まあミディアムレアが目標なのでステーキのフチがジクジクしてきたらちょっとフライパンを揺すってやって浮いた部分のないようにステーキ肉を軽く押さえてやる必要がある。全面密着がキレイな焼き色と均一な火の通り加減のキモなのであり、これさえ上手く出来るようになればステーキマスターの有力候補になれる!と云うものだ。
購入してきたスーパーのパックには“ステーキわさび”なる生香辛料が添付されていて開封するまで気が付かなかった。そうか、これもいいよね!シンプルに塩胡椒のみの味付けで食すつもりだったけど、和食テイストの導入も悪くないじゃん…と焼き上げたヒレステーキへ素直にトッピングしてみたのよ。

温めておいた皿にステーキとガロニを盛りつけたら冷めないうちにいただこう。ナイフを入れると信じられないくらい軽いチカラで切り目がついてゆく。おぉ〜っ、いい具合のミディアム・レア…例のわさびをなすりつけながら大きめにカットし、そしてお醤油の小皿にちょこんとつけていただいてみる。
いや〜ん♪ 溶けちゃう〜
よくテレビのグルメ紀行番組でバカタレントが判で押したようにこんなコトバを発していて(けっ、ボキャ貧なヤローだぜ)などと吠えているエロおやぢだが、おいおい今日はテメーがそーなってんじゃんよぉ!なのである。だってホントなんだもん。甘く濃密な和牛の香りがクチに拡がり、まったりとその旨味を満たしてゆく様はなんとも形容のし難い快楽なのだな。ワサビ醤油でいただくステーキは何度も経験しているけれども、ニクが違えばステージも変わる。参りました。
オカゲで大晦日に続きこの日もちょっと飲り過ぎてしまったのね、まあお正月だからいっか…と、このセリフ聞き飽きたけど。




クリック↓↓↓で応援をお願いします






とがしさま
おはようございます! マリネしつつ室温戻し…おヌシ何者じゃ〜(笑)
タタキってのも数ある肉料理の中でかな〜り泣かせてくれる部類ですよね、いいなあ当家もソレにすればよかったかなあ!
そのUSやAUSYビーフで作るタタキね、マグロみたいにヅケにしちゃうのってめちゃ美味いんですよ。カットせずブロックのまま濃い目のソバツユにドボンと浸けて一昼夜…それからカットするとねっとりと旨味を増したタタキが!やはりワサビを添えてどーぞってなもんだい(^з^)-☆