伊豆天城の山葵と『港あじ鮨』

風もなく穏やかだった昨日、母上は沼津に住む妹殿と一緒に昼食がてら沼津港周辺で遊んできたらしい。土産話はいろいろあったけど、特に熱がこもっていたのは沼津港から出る遊覧船に初めて乗船した件であった。ボクも今年の夏の終わりごろに伊豆松崎からの観光遊覧船ってやつに乗ってその面白さを知ってしまったので、なんとな〜くその楽しさは理解出来るというものだ。

そして食べ物の土産は沼津のお弁当屋さんが「今まで沼津にはコレといった名物がなかったので」ということで苦心して研究開発したお弁当『港あじ鮨』なのである。ジツはこの鮨は何度か食したことがある。だからと言って母上も特に気に入っているというワケでもなく、さりとてホカにめぼしい物がなかったからといったパッシブな理由でもない。鯵の押し寿司なら神奈川県の大船軒が製造販売している『伝承・鯵の押し寿司』がイチバンのお気に入りだし、ただ単純に(コレならまあまあ結構なもんでしょ…)てなカンジに粛々と購入した、と云うところか。
ただし創業明治24年の老舗弁当屋さんがこうした商品の開発にこだわった理由はいくつかあると思うけど、やはり主たる原動力は沼津港が鯵の水揚げや加工の一大拠点・名産地ということに他ならないだろう。
平成25年の農林水産省統計によると、静岡県の真鯵の養殖漁獲高は出荷額ベースでゆくと五億円を超えていて二位以下の愛媛や熊本を大きく引き離し、全国に占める割合も52%とスゴいことになっているのよ。その中心が沼津なのである…というかオンリーと言ってもいい。


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このお弁当には三種類の鮨が入っていて先ずは「ぬまづ鯵鮨」=昆布の旨味を利かせた酢〆鯵の握りに赤紫蘇の帯。次に「鯵わい太巻き」=大葉と胡麻をあしらった海苔太巻。そして「にぎわい鯵鮨」=山葵の茎を加えた酢飯に酢〆鯵、これを塩漬けした山葵の葉で包むというなかなかに凝ったひと品だ。ボクはこの最後のヤツが特にスキスキ。そうは言ってもこの鯵鮨弁当はちょっとイジり過ぎな感じもする。やはり大船軒さんの押し寿司のようにシンプルなカタチのほうが長生きする商品になるような気がするなあ。
ただこのお弁当の大きなアドバンテージは伊豆天城産の生山葵が添えてあることに尽きる。これが素晴らしい!容器兼用になっているプラスチック製おろし器が悔しいくらいに上手く山葵をおろせるのよ、まるでサメ皮のおろし器のようにね。
なめらかに香りよくおろした山葵が鯵の鮨によく合う。鯵というと生姜や葱の薬味が多いけれど、鮮度の高い沼津産真鯵ならやっぱり山葵だよ。




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Sora
7:59AM, December 06. 2015.



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