極上春メニュー『野蒜の塩昆布あえ』

三月に入り少しづつ陽が長く当たるようになると田んぼの畦や土手に“野蒜(のびる)”が顔を出し始める。
例年「気が向けば採ってみたりもするんだけどね…」程度のハナシなので、忙しかった今年はすっかりそのことを忘れていた。

ところが天然ものウナギを捕獲した河川改修工事で一緒に働いたナカマが野蒜を大量に採って喰ったことを語り始め、ボクはたまらずその場所を尋ねた。
なんとそれは我々がいつも集まる会社の駐車場!よく考えてみれば周囲は田んぼだし土手の上みたいな構造になってるのよね、あ〜迂闊だった。
そしていつもの採集方法のように一本一本引き抜くのではなくスコップで野蒜の群落をガバッと掘り起こし、下についている土はその会社の水道シンクでザザッと洗い流してしまえばカンタンに済む…というオイシい情報も得たのよね。
その日の仕事が終了後、一本のスコップを持ち出してはその通りにジッコーしたのは言うまでもない。こんなにラクチンして野蒜がゲットできるならもっととっくにやればよかったなあ。


Carl Zeiss Jena  Tessar 2.8/50  @ SONY α7

とは言えメンドなのはお家に帰ってからなのよ。泥土はすっかり落ちてはいるけれど、細かい根や枯れた表皮や葉先などをこれまた一本一本処理してゆかなければならないのだ。あ〜メンドくさ、ちょ〜メンドっちい…とココロの中でブツブツ言いながらなんとか終えたのは数十分後である。クイックに済ませたい向きは農民市場などに出向いて選別洗浄掃除済みの野蒜を購入して来れば宜しいのであって、たいていは価格も安いので労力を惜しんでも損はない。
ただしココから先はまた平易な調理工程に入るのであって、適当な長さに切り揃えた野蒜に細切りしたニンジンを加え塩昆布と和えるだけなのである。ビニール袋に密閉し冷蔵庫で寝かせること二昼夜、極上の春の和え物が出来上がる。
そのまま酒の肴として食すのは定番だけど、やはり真骨頂は朝ごはん。炊きたての白ゴハンにこいつを乗せて食す快楽はコトバにならない。あ〜美味い!としか言いようがありませんな。




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ドウダンツツジの新芽が鮮やかです
ちょっと放っておくとキャプチャー君のスペースを侵略するんですけどね



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