でらうみゃ~でかなわんわ(20)

いちどは喰いたい”名古屋めし”

其の参 老舗でいただく『きしめん

エビフリャきしめん味噌煮込み~ういろう手羽先うみゃ!うみゃ!うみゃっ!
なんてちょ~フザケた歌詞は嘉門達夫氏が唄った「替え歌メドレー」の一節なのね。元ネタは米米CLUBの Funk Fujiyama で当時は爆ヒットしたソングだったけど、今はそのヒト嘉門さんはどーしてるんでしょ。
まあそれくらいナゴヤの食文化は独特で強力なステータスがあって”いちど喰ったらヤメられない”みたいな麻薬テキ要素も持ち併せているのだな。

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ゴヤ出張を千載一遇のチャンスとばかりにアレコレ喰いまくっているエロおやぢではあるけれど、肝心の『きしめん』を食していないことに最近気が付いてココロが病んでいた。どうしよう、このままじゃ静岡に帰れない…って大袈裟ですけれど、やっぱりナゴヤに来たら『きしめん』は絶対に外せないお食事であることは間違いないのです。

そこで「恋の三社巡り」に絡めてそこはナゴヤらしいお店で目的を完遂させようじゃないのよ!とばかりにスマホでリサーチしてみるのだ。
スマートフォンというIT機器とそれを使ったコンテンツの開発で先行するGoogleは、そのMAP作成に一般のヒトでありながらフードコメンテイターやイベントプランナーもどきの人間を持ち上げたりゴマすったりオダテたりしながら情報の大量摂取を画策し、ひとつのマスストレージを構築しつつあるのですよ。何を隠そう、このエロおやぢもローカルガイドなる一人として「半分ダマされてるなあ」なんて思いつつ、ついつい協力といいますか情報提供の片棒担ぎをしてしまっているのでありましてね、まあそのついでにヒト様の情報も参考にさせていただいている次第なのですねえ。その中にこの「三芳屋」さんがあったわけです。
某ローカルガイド殿の御意見では「地元の人に愛されるお店」だし別のガイドさんは「どれを食しても美味い」などと好意的なコメントが多く、ヨソモノ&トーシローのボクとしては期待を寄せてしまったお店なのですな。

特に老舗ということに大きなものを感じて昼どきに行ってみたわけですが、あいにく駐車場は満杯。しかし運よく店舗前の三台しか停められないスペースの真ん中が空いたようなので、コレ幸いにすかさずネジ込んだのね。あんまりいい場所じゃない…てか出来れば停めたくないシチュエイションなんだけどもーそんなこといってられない感じだったのでその先は考えないことにするのよ。
当然店内も満席でした。スゴい人気じゃん!そしてこれまた運よく奥の長テーブルが空いたようなのでやはりすかさず席取りをするのです。それにしてもその座卓を含め、店内の家具・調度品には銘木と呼ばれるエキゾチックウッドや貴重な玉杢(バーズアイ、タイガーストライプ、キルテッドといったヒネクレ系)が大量に使用採用されていて恐れ入りますなのだ。高価なんですよねえ、このテの木材って…ボクもギターを購入するときはそうしたものばかりを選んでますけど。おっとっと~、脱線ですね、元へ。
注文したのは『きしめん定食』で「天ぷら」や「錦いも」なるものも付いているようだ。玉子は「冷奴」にもチェンジ可ってことだったのでヤッコをお願いした。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

厨房は若い板前さんもおられるようだけど、ホールで接客担当しているのはご高齢のご婦人ばかり。みなさんテキパキとよく動き作業導線にムダがない。そして親切丁寧な対応をしていて安心して見ていられる。ムカシっから云うじゃありませんか「亀の甲より年の功」ってね、おねーさまの云うことはよく聞くもんですよ。
さあ、念願の『きしめん』です。適度な幅とつるつる光沢のある表面、かなり薄くて滑らかな舌触り…おぉおぉおぉっ!そうですか、ナゴヤの手打きしめんってこーゆーものなんですねえ、めちゃ美味いじゃありませんか。
やや濃い目の出し汁に花カツヲはたっぷりヒラヒラ、生ワカメや焼カマも加わってパーフェクトな世界が創出されているのね、本当に美味しい。こんなに美味いと思った『きしめん』は今までなかった!と云うのはお世辞でもなんでもなくて真実なのですよ。

天ぷらはエビ天・海苔天・南瓜天に蓮根天、充分な質と量です。そして「錦いも」ってなんの事?って思っていたらヤマイモの千切りにゴマ風味の出し汁と刻み海苔を乗せたひと品なのでありました。こいつも旨かったです。「冷奴」は温かい『きしめん』によって暴れがちな舌をそっと諫めるのにいい仕事をしてくれました。全てが美味しかった…そんな印象です。
待ってる間に見てしまったメニューブックのランチ案内に『あなご丼』ってのがありましてね、『あなご天丼』に小さな『きしめん』や小皿までついたものが¥900てねえ、そりゃ平日のランチタイムに行けるメドのない者にとっては大いなる殺生献立なのでありましてね、かくなる上はズル休みしてでも行って食したい…と云う不埒な願望に苛まれつつあるエロおやぢなのです。


三芳
愛知県名古屋市徳川町 2,216
TEL=052-936-3444
ACT=11:00-14:30 / 17:00-20:00 月曜定休





恋の三社巡り 第三話(最終回):山田天満宮

「寄り添い石」より「撫で牛」だよ

かなりゆっくり参拝しても一日で終わる恋の三社巡り、こちらでコンプリートとなる「山田天満宮」です。
天満宮ですから文教の神様・菅原道真公を祀っているのでして、参拝に訪れるヒトの多くはガッコーの入試合格とか商売や会社での開運出世といったものを祈願するわけですな。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2.8/28  @ SONY α7

境内は白梅・紅梅がピークを迎えていてキレイなんですけど、持ちこたえていた天候がとうとう崩れ始めましてねぇ雨なんか降ってきちゃったのがとってもウザいのでして。第一にカサが邪魔、次にカメラやレンズが濡れるのに気を遣う、そして早春の雨はとにかく冷たい。まあ文句ばっかり言ってもシカタがないのでしっかりお参りしましょうか。

で、何故にこちらが「恋の…」にエントリーされているのかと言いますと、山田天満宮摂末社として「金神社」(こがねじんじゃ)というものがありまして、こちらは江戸時代である延享三年(1746年)商売繁盛や金運招福ばかりでなく平民の福徳円満と街道往来へのご加護を願って奉祀されたらしいのね。ですから一般テキには銭洗いとか財布祈願など金銭に関するお願い事やお祓いを行う神社なのです。あぁコチラは関係なさそうですな。
そしてもうひとつの摂末社として「御嶽神社」(おんたけじんじゃ)がありまして、こちらは恋愛に限らず人生全てにおける悪縁をたち切り良縁に結ばれる…と、ここまでくれば「恋の…」に関わってくる理由が生まれますね。
そしてその社わきに「寄り添い石」なるものがありまして、決して古いものではないし置かれている理由が解りづらいのですけれど、まあとにかくあるわけなんですよ。

日ごろからこうした男女が寄り添う像をメにする機会の多いボクとしましては(哀愁のイナカ町・富士宮には江戸時代に制作された「双体道祖神」がたくさんあるのです)その「寄り添い石」からはエネルギーをあまり感じられないわけでして、フン…とハナで笑って通り過ごしてしまうのですな。
インチキ臭いとまでは申し上げませんが、そうした由緒ある道祖神を知らないヒトたちからすれば何か有難いもののように感ずるのかも知れません。ただ宗教とか信仰ってものはそのヒト個人の想いようですからね、他人がクチを挟むべきことではありません…これ以上の言及は避けておきます。
そんなワケでちょっとガッカリなパワースポットなのですけれど、まあせっかくココまで来たのですから違うものを見つけて自分のパワーにしましょうか…と境内を歩いてみるわけです。
さほど大きな神社ではないので概ねのところはスグに掴み切ってしまうのですが、よく見ると随所にけっこー面白いものがありましてね、この「撫で牛」君の鎮座している石台に招き猫や達磨さんがズラリと並べてあるではありませんか、いや~初めて見ましたねえ、こーゆーものは。
いったいコレはどーゆー意味があるのでしょうか…と調べてみると、招き猫や達磨さんの正体は御籤だったのですな。う~む、迂闊でした、いちおーお守りやお札などが並べられているコーナーに行ったのですが、こんな可愛い御籤があることは見落としていました。雨が降っていたので注意力が散漫になっていて…とでも言い訳しましょうか。でもねぇ、あぁ口惜しいったらありゃしない!

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

達磨さんや招き猫の底部に穴が開いていて、そこに御籤が仕込んであるそうです。そして願いが叶ったりご教示を全うしたあとにソレを持って再び山田天満宮を訪れ、お礼の参拝をしては「撫で牛」君の周りに戻す習わしになっているようです。
フツーこうしたものはぐっちゃぐっちゃに置かれているものですが、きっと宮司さんか氏子さんに几帳面な方がいらっしゃるのでしょう、キチンと種類分けした上に整然と並べられた姿が美しく思えます。

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Ernst Leits  M-ROKKOR 4/90  @ SONY α7

同様に絵馬もこうしてきっちり整列され掛けられておりました。美しいですねぇ、なんだかとってもマジメな神社のようで、サスガに学業の神様を祀る神社は心構えが違うような気がします。そしてとても気に入ったのが注連縄に垂らしてある紙垂(しで)が雪洞状にしてあることです、こちらも美しい。
さあこれで「恋の三社巡り」は終了となりました。最初に行った神社で台紙をいただき、各神社でスタンプを押してもらって三神社コンプリートすれば記念品がいただける…ってことでしたけれど、まあそーゆーのはお若い方々にお任せして、中高年エロおやぢはちょっと斜に構えて「恋の三社巡り」を楽しんでみました。
けっこー面白かったですよ、いい体験をさせていただきました。そしてこれから運気が上昇すれば言うこと無し!てなもんです。


山田天満宮
http://tenman.jp/
愛知県名古屋市北区山田町3-25
TEL=052-981-5695
ACT=9:00-17:00