■ 秋茄子はヅメカンで
長い間当家に牛乳を配達してくれていた方が引退されることになったそうです。70代後半となりしばらく前からご家族から退役勧告されていたそうですが、配達するクルマの運転はサスガにもう危ないと自覚されたのでしょうか。エロおやぢはまだまだ大丈夫かとは思いますけれど、やはり何十年か先にはそういった決断も我が身のこととなるはずなのでありまして、なんだかなあ…と複雑なキブンなのであります。
その方は集金の折によく自家栽培のヤサイなどを持ってきてくれましてね、最後のおシゴトとなった先日に長茄子を持参されました。ピカピカの新鮮なやつですね…いただき方はいろいろありますが、秋茄子は誰だかに喰わすなだの喰わせろだのとドッチでもいいメンドな格言とやらが一瞬脳裏をかすめてゆきますが、とにかく新鮮なうちにサッサと喰ってしまうことを考えるわけです。

朝夕の涼しさも日常テキになりつつある昨今、お料理もちょっとコクのあるお味が欲しくなるってもんですよね。そう盛夏の頃はサッパリとした焼茄子やら煮びたしなどを好んでおりましたが、その茄子をグラタンにして食すってのもイケてます。
早速食品庫をガサゴソ探せば買い置きしてあったミートソースのヅメカンが出てくるわけです。うふ♪こいつを茄子にかけてチーズと共にオーヴンに入れてやれば…ジツにカンタンな調理でエクセレントなひと皿が出来上がるのも嬉しいじゃありませんか。

もっとも生の茄子そのままですとパサっとして青臭くあまり美味しくなりませんが、カットしたものをサッと湯通し(本当は油通しが好ましい)して水気をよく切った状態でキャセロールに並べてやるとトロ~リねっとりな茄子の長所が発揮されます。
そして月間廉売で安価に購入してあったごくフツーのミートソース缶をダダっと流し込みシュレッドチーズをバラ撒く…ただそれだけなのにまるでレストランで食すみたいな美味しいグラタンが出来上がるわけですよ…いいねえ、こいつはヤメられない。
赤ワインでも白ワインでもオッケーです、冷めないうちにハフハフしていただきましょうか…美味い秋茄子にヅメカンでさらなる栄光を。そして近づく台風の雨音を感じながら夜は更けてゆくのです。