■ サヨナラ流通大手某Ａ
食料品の買い出しは自ら行うことが多いのは一義的に栄養バランスのことを優先してのことですが、やはりそうした側面ばかりでは似たような食材に偏ってしまったり面白みに欠けてくることが大きな理由です。そして旬を取り入れてみたり、意外性のある組み合わせであるとか、また流行りの食材を興味本位でフィーチャーしてみる楽しさを日々の生活に導入したい…といったワケもあるのです。
ところが週に一度くらいの頻度で妹が母上を買い物に連れ出してくれましてね、その時にも様々な食材を買い求めてきてくれるわけです。それも有難いことに違いはありません。
行き先は哀愁のイナカ町最大のショッピングセンター流通大手某Ａ、リッパな外観とハリボテな華やかさに引き寄せられた人々がワンサカ集まっている " 地方都市あるある " な場所です。ボクはそこが気に入らないので絶対に行くことはありませんけれど、彼女たちは彼女たちなりの行動理由があってのこととして特にコメントはしておりません、どうぞご自由に…てなカンジであります。
母上はそれでも気を遣ってステーキ肉なんぞを選んでくることもあります。時々ムショーにニクを喰いたがるバカ息子を思ってというのもあるでしょうし、自身の滋養強壮のためといった要求だってあるでしょう。
ジツはその流通大手某Ａで購入してくるニクは××なことが多いんですねえ、特に商品開発部とバイヤーたちが息をかけチカラを入れているOZからの輸入ニクはお話にならないレベルでして、ボクなら購入リストから真っ先に外す類のものです。地元スーパーで廉売されている交雑種国産牛のほうがよっぽどマシだぜ…と思うのですが、せっかく購入してきてくれたものにケチをつけたくはありませんし、食材の多少の優劣は調理でカバーできると云った自負もありますので。
今回は「OZ穀物肥育ビーフ・肩ロースひとくちステーキ用」となっておりまして、和の香草類をセッセと刻んではヘルシーなセッティングの和風ステーキをプロデュースするわけです。
しかしフライパンで焼いている時から「う～ん、コレはやはりちょっと…」とヤバヤバな予感に包まれて…。
案の定、めっちゃ硬いんです。旨味もあまり感じられません。サイテーですな…食しながら強烈な嫌気がさしてきましたけれど、母上が期待を込めてカゴに入れてきてくれたものをそうそうムゲにするわけにもゆかず、沈黙の食卓となりました。
歯も不具合の多くなっている母上なので「ニク、どう？」と問えば、細々とした声で「硬かった…」と答えるわけですよ。ん～お気の毒であります。母上が食べ切れず残したニクはエロおやぢがなんとかやっつけました。
パックに表示されていた " 肩ロース " ってのもアヤしいなあ、どう考えてもあの硬化した食感は " モモ肉 " だよ、単価つり上げのための偽装表示も疑われるね。記憶では流通大手某Ａで購入してきた××評価のニクはこれで三回連続です。
食後にボクが別のスーパーで買ってきた杏仁フルーツをいただきながら「もうあそこでニクを買うのはヤメようね」と母上をそっと窘めるバカ息子でありますけれど、まあシカタありませんな。サヨナラ流通大手某Ａ。
しかし流通大手某Ａってのはとんでもねー商売してるもんだよなあ、何も知らない老人まで騙して。だからキライなんだよ。
