■ 真夏の約束
週に二度の家庭ゴミ出し、その途中の道は昔からある田圃を貫くイナカ道であります。この町に引っ越してきたころは青々とした稲穂が風にたなびく田園風景でしたが、それらは全て耕作放棄されその多くが個人住宅地や集合住宅用地となり、その景色はすっかり変貌を遂げてしまいました。突然この環境に連れてこられたなら浦島太郎状態は必至であります。
僅かに残った休耕田には雑草が生い茂り四季の草花が繁茂しております。時折どちら様かが草刈などを実施して平地が拡がっていることにハッとすることもありますけれど、たいていはぼーぼーとした景色があたかも見る価値のないもののように意識に上ってくることはありません。
ただ昨年から少しづつその勢力を拡大している植物に蒲がありまして、今年もその特徴的なカタチをした穂が風に揺れております。焼チクワとかフランクフルトソーセージみたいだなあ…と相変わらず食いしん坊なイマジネーションを抱きつつ、ゴミ袋を抱えては集積場所に急ぐ朝です。
さてお久しぶりの『麻婆茄子』であります。以前には狂ったようにその『麻婆茄子』ばかりを食していたこともありましたが、ここ数年は落ち着いておりましてね、ただし盛夏を迎え茄子が旬を迎えるころになりますと『麻婆茄子』に時間を割くのがお約束となっておりまして、セッセと食材集めに走るわけですよ。
これまでは地元産の新鮮な茄子を求めて農民市場系のマーケットに出向くことが多かったのですけれど、先日行った山梨県系スーパー某OG（当家から最短距離のお店、クルマで２分程度）で見つけた茄子お買い得袋 " 本日のご来店記念特価 " は地元産が10本入りで￥198という破廉恥な価格設定なのでありました。いやいやいや！そりゃカゴに入れないテはないでしょ、もうそんなスケベ根性丸出しのプライスなら誘惑されて騙されようが構いはしないさ、そんな昼下がりの情事は私の理性を…って違う！一度では使い切れない量の茄子だってレシピの引出しを探ればいくらでも出てくるってもんですよ。
あぁもちろん美味いです『麻婆茄子』、暑いうちにもう一回くらいジッコーしてもいいかな。そして残った茄子はアレにするか、それとも…うふふ。
