天磯おろし蕎麦

天磯おろし蕎麦

商標登録されている駿府の名物蕎麦

静岡市内や近郊にお住いの方ならご存知の名物蕎麦があります。戦後下駄屋さんから食堂に転身し、現在は駿府の老舗蕎麦店としてその名を馳せる「戸隠そば」さんが商標登録している『磯おろし蕎麦』ですね。
初めて食したのは未だ大学生のころで、ゼミの教授が「美味い蕎麦屋があるんだよ…」と案内してくれたのがそのお店でした。皿盛りされた冷たいお蕎麦の上に天かすと大根おろし、そして揉み海苔がはらりと乗せられた涼し気な逸品です。そこに晒した刻み根深とワサビをたっぷり添え、冷たい蕎麦ツユをダダっとかけてはずいずい食すクイックなひと皿なのですな。こいつがめっちゃ美味いのよ、もう一発で虜になりました。
その後は何度もそのお店を訪れましたが、天かすを海老天に替えたものやまた鱚天にしたものも美味しくて、行く度にいろいろなヴァリエイションを愉しんだものです。
基本の『磯おろし蕎麦』は " まかない " としてスタートしたもので、名称は初代の女将が考案したものだそうです。長野県戸隠の蕎麦粉を使った蕎麦に静岡らしい磯の香り…語感もリズミカルでなかなかに秀逸なネーミングかと思います。

天磯おろし蕎麦   Nippon Kogaku NIKKOR-S Auto 50mm F1.4  SONY α7RM5

そんな『磯おろし蕎麦』を再現してみます。海老天や鱚天など高級なものは使えませんが、新鮮なヤサイを使ったかき揚もナチュラルな甘さを感じていいものです。
たっぷりの大根おろしに揉み海苔と薬味をコレデモカってくらいに添えては蕎麦ツユを静かに張ってゆきます。初めは蕎麦だけをそっと箸で手繰ってはその旨味や香りを楽しんだら、順次大根おろしや天ぷらをお供にして食べ進みます。
いいですねえ、何度いただいても王道の美味さがあります。暑い季節には幾度となくこれをいただきますが、はて今年はあとどれほどこの要求があるでしょうか。早くオサラバしたいような、でもいつまでも食べていたいような…。
 
 

 
 
 
 

葉月の庭風景  ケロ助の午後


そこは涼しそうだな
オマエが羨ましいよ
もうこの暑さはウンザリなんでね
さっさと部屋に籠ってビールでも飲ろうかと

葉月の庭風景 ケロ助の午後   OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2  SONY α7