二十数年前、大学のサークル合宿で初めて訪れた清里。 当時はクルマを所有する学生はまだ少なく、ボクたちは皆鉄道でこの地のペンションに集合したものです。
中央線から小海線への乗り換え駅の小淵沢で、駅弁立ち売りの人から購入した
「高原野菜とカツの弁当」。まだ生き残っていました。
パッケージ・デザインも変わっていない。
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八ヶ岳が描かれたこのシンプルなイラストは、近年の過剰な情報の盛り込みや単なる懐古趣味的な装飾に対するアンチテーゼを感じます。
70年代の香りがしますね。
写真・下は最新の駅弁「元気甲斐(げんきかい)」〜二段折詰になってます。
この「高原…弁当」、さすがに内容は若干のモディファイが施されていました。
当時はどっさりレタスと“豚ヒレかつ”のみがドッカーンと、という記憶なんですが(メーカーさん、違ってたらごめんなさい)。
野菜がたっぶり入っていることに変わりはなく、レタス・セロリ・胡瓜・ミニトマトなど八ヶ岳山麓の新鮮をギュッと押し込めてある。
柔らかいチキン・カツが三枚、スパゲティーの上に配置され、脇に据えられた信州リンゴのカットが昔の洋食ランチ的なテイストを思い起こさせてくれます。
山菜やゴボウなどの漬物が控えめに添えてあるのもジツに当を得たバランス。
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驚きはもう一つの「元気甲斐」。
なんと容器は全て本物の経木! パッケージをひもとくとそれぞれに経木が蓋されていて、杉板の良い香りが…。
使われている仕切り類も全て本物、かえでの葉・柿の葉・ホウ葉・笹…感動です。
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左の折詰 ・銀杏や栗の入ったおこわ
・鶏肉の味噌漬け焼
・アスパラの豚肉巻(柿の葉の上)
・山牛蒡と蓮根の漬物
・わかさぎの天ぷら(かえでの上)
右の折詰 ・ホウ葉で包み蒸ししてあるクルミと鶏そぼろのおこわ
・野菜の甘酢漬
・フキや椎茸、根菜の煮物
・川魚の干しぶどう煮
・セロリの漬物
毎日売り切れる超人気駅弁らしいですが、その訳はお解りいただけたかと思います。