壱岐の岩牡蠣

“海のミルク”と呼ばれる牡蠣だが、さしずめこの壱岐岩牡蠣は”海のコンデンスミルク”と呼んでもいいだろう。

オトナの手のひらほどもある岩牡蠣が届いた。しばらく前に予約しておいたモノだが、しっかり育成して浄化殺菌を行い出荷するため期日を確約できないという。
半分忘れかけていたのが昨日の昼過ぎに届いたので早速荷を解いてみると、まずその大きさに驚く。厚みも握りコブシほどあり、ズシリと重たい岩牡蠣…山形の酒田が有名で、この岩牡蠣欲しさに現地にレストランまで開店してしまったシェフもいる。
Rのつく月が旬の牡蠣だが岩牡蠣は逆に初夏にしか出荷しない貴重品らしい。一度は食してみたいと思っていたので、貰ったワケでもないのにナゼか得をしたような気分だ。
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殻を開けてみるとサスガに身も巨大だ。フツーのLサイズ牡蠣の三倍はあるかというミルクタンクにホタテサイズの貝柱…。
殻にたまっている水を口に含むといい潮の香りがする。
ん〜早く食べたい♪

切らしていた白ワインも購入してしっかり冷やした。新鮮な牡蠣ならどんな調理方法であろうと美味しいのだろうが、やはり柑橘の絞り汁だけでいただくのが最上の味わい方だろう。
逸るココロを抑制し冷えた白ワインで舌にスタンバイ指令を出す。


…美味い♪
濃密な滋味、そしてクリーミィな甘さ…例えようがないほどにスバラシイ。
確かに香りのよさと溌剌とした旨みは去年の初冬にいただいた広島の牡蠣に軍配が上がるが、それとはまた次元の違ったダイナミックさと密度が加わり岩牡蠣のステージは別の世界だ。

3ケも食せばオナカは一杯になってしまう。なにせフツーの牡蠣なら10ケ分に相当する量、最後のひとつはカクテルソースでいただいた。
ホットソースなんぞも加えたスパイシーなソースにも負けない強靭さ、当分の間脳細胞は覚醒されたままだろう。
昨日頂戴したコメントに「本日はストイックな…」云々とレスしてしまったが、思わぬ展開に“ウソつき”の汚名を着せられても仕方あるまい。
まったくエモーショナルな晩餐になってしまったのだから。