帯広の銘菓二品  

妹君のご主人様のご出張のお土産と、宅配で注文してあったモノが重なってしまった。運よく別の種類の菓子だったので良かったが、同じお店の商品が異なるルートでカオを合わせたのには「インガなものぢゃ…」の声が漏れてしまったのよ。

釧路に住んでいたころはよく帯広に行ったものだ。いや連れて行ってもらった…と言い直すべきだろう、高速道路も必要のなかった時代だが片道二時間ほどの道のりの一般道を1100ccの国産ファミリーカーはトコトコよく走ってくれた。
考えてもみればボクの父親も今でいえばグルメなオヤジだったのか、朝起きてから突然にナントカのカレーが喰いたいなどと言い出し、家族をクルマに乗せてはあちこち連れまわしたものだった。
その帯広のカレーショップの近くにあったのがこの六花亭で当時は珍しいホワイトチョコレートが美しいデザインの包装を施されかわいらしいインテリアの店先に並ぶ姿が今でも脳裏にこびりついている。

当時は「帯広千秋庵・六花亭」と云う名で営業しており本店である札幌の千秋庵の“暖簾分け”のようなカタチで繁盛していた。
静岡に戻ってからいつの間にか千秋庵の文字が消えていたので不思議に思っていたが、どうやら商品に対する考え方の違いから分裂してしまったのだと聞く。
今では主力のホワイトチョコレートをはじめ数々の銘菓を生み出しているが、やはり北海道の地の利を生かした乳製品や小豆の製品に秀逸さを感じる。
昨年北海道の友人が同店の菓子詰め合わせを送ってくれたが、封を開いたとたんに「なつかしい…」と云って涙した母は昨日74歳の誕生日を迎えた。
北海道から静岡に戻って、もう30余年の年月が流れている。



六花亭
http://www.rokkatei.co.jp/