『とん丼』は本場帯広を超えたか 

二晩続けてドンブリもの、しかもニク系…果してコレはいいものなのだろうか。

 本当は久し振りに麻婆豆腐でもやろうと思っていたのだが、朝の某国営放送で俳優の山本ナニガシが北海道の帯広に行って「とん丼」を食すという番組をやっていて、あまりに旨そうにワシワシ喰っている姿を見てボクは我を失ってしまったのね。
次々と繰り出される「豚肉って甘いんですね〜♪」とか「うわ〜サイコーっ!」などといったコトバに前日のヘヴィーなドンブリのことはうち忘れ、ひたすら「とん丼♪とん丼♪」とイソイソ冷蔵庫から豚バラ肉を取り出しては確認してみたりするワケなのだ。
 以前に帯広のメーカーの“とん丼のタレ”を試したコトがあったが、とても耐えられるレベルの製品ではなく「こんなハズレも今どき珍しい」と思った苦い経験もあるので今回はジブンで作ってみよーと決意したのである。
とはいえ本場帯広で食したコトがあるワケでもなくテレビ番組のインタビューやコメントなどから想像を最大限に膨らませ、あるイミ当てずっぽう&テキトーに調合してみただけではあるが「やっぱりオレは天才だぜっ!」と大声で叫んでもハズカシクないタレは完成したのだよ。

 いや〜美味いっ!…ヤバイっスよコレ♪…ナントカポークなどといった銘柄肉ではないが、地元朝霧高原で肥育された豚肉は旨みや甘みをたっぷり蓄えたその脂肪をゴハンにシミ込ませ、つい喰い過ぎてしまう悪魔のドンブリかもしれない。
 そして甘辛く濃い味のタレに香ばしく絡みつく豚バラ肉を迎え撃つのがチョコレート麦芽を使用したこのビールだ。深くローストしてあるのに雑な苦みがなく、あくまでクリーミィで品の良い柔らかさとプレミアムな香りを放散させては舌をリセットしてくれる。
ワイルドな「とん丼」とはちょっと不釣り合いなカンジもしなくもないが、楽しい食卓になったコトは間違いなかったのである。