野沢菜の漬物はドコでも売っていて、ほとんどはソコソコに美味しいのだが本当に満足できるモノは少ない。信州方面にアソビに行って食事で出された野沢菜が美味かったから…と購入してきたものがイマイチでガッカリ、と云うのもよく聞くハナシである。
先日スーパーで見つけた野沢菜漬は“樽出し本漬け・国内産野沢菜使用”と書かれていて着色料など使用していないのだろうか、色もくすんだ暗緑色でいかにも「樽熟成させました」みたいなカンジ、即お買い上げの運びとなったワケだ。
いつものように数センチメートルの長さにカットしようかと端ッコをちょっとつまんでみるとコレがジツに美味いではないか。茎の部分などはもうペチャンコに押し潰れていてタクアンの皮のような状態になっている。新漬のジューシィでハリハリした食感とは違い古漬ならではの鄙びた旨みがじんわり出てくる。
「そうだ!ムスビをコレで包んで食べたら美味そーじゃん♪」
ついイケないイタズラを思いついてしまったのね。高菜と違い野沢菜は細身の葉なのですっかり包み込んでしまうには2枚以上必要になるが、俵形ムスビにしてクルリと巻く方法なら一枚でオッケーだ。
完成したムスビの写真をケータイで早速撮影して神戸の友人にメールで送ると、その友人が「めはり寿司?」とカン違いしてしまうような出来上がりになった。明石の空港では焼アナゴを混ぜたゴハンを高菜漬で包んだ“めはり寿司”が売っていると云うから、野沢菜漬なら茹でシラスでやってみてもいいかも知れない。ナカナカに面白いイタズラになった。
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