フルーツトマトで『カプレーゼ』

現在でこそ全国各地で生産されるようになったフルーツトマトだが、調べてみると発祥の地はどうも熊本県の八代地域のようだ。

八代といえば干拓地として有名でトマトの出荷量は日本一を誇っている。
土壌塩分濃度が高いその農地で栽培されるトマトは幻の“塩トマト”と呼ばれ糖度が8〜10度と非常に高いことで高い評価を受けているのだ。干拓地はミネラル濃度も高いので美味しい野菜ができると言われるが水分の多いトマトはそんな特徴を顕著に反映するのだろう。
静岡でもギリギリまで水分をコントロールした高糖度トマト“アメーラ”が全国テキ知名度が高くなったものの、その後“みらい”など同種のライバルも県内に現れ価格競争の時代に入っている。
各地のフルーツトマトを食すと同じ甘い中にもビミョーな違いがあって、砂糖を注入したのではと思えるほど甘いものからムカシながらの青臭さを香りの片鱗にとどめているモノもありナカナカに楽しい。
ただこの“フルーツトマト”とは品種や特定の産品名称ではなく高糖度トマトの総称であり、生産各地で個別にユニークな名称が与えられていることが多いようだ。
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わざわざカプレーゼにそんな高級トマトを使わなくたって充分美味しいじゃん…なのだが、ひと粒が¥100もするようなハイソ系トマトが作り出す世界は全く別世界で、モッツァレラチーズ&バジルとの三位一体攻撃でボクはメロメロに殲滅されてしまうのだな。
「こんなに美味しいならピッツァ・マルゲリータなんて要らないよ!」と幻惑されるような食味にはワインが進み過ぎて困ってしまうオマケもつく。
アンデス岩塩とマレーシア黒胡椒そしてイタリアのオリーブオイル、北海道のモッツァレラチーズと当家菜園のバジル…様々な土地の名産品が集っては繰り広げられる饗宴ではあるが、あくまでもこの日の主役は北陸のフルーツトマトなのである。








Sora

6:31PM, July 05. 2009.