(106)アオサで楽しむ『 金ちゃん焼そば 』

タテ型のカップだけだと思っていた金ちゃん焼そばに平型容器が登場していた。スーパーの棚に従来タイプがたくさん置かれた脇にヒッソリと2コだけ置いてあった…と云うのがなんともフシギな光景だった。

動向調査のためのサンプル入荷なのだろうか、ソレにしては数が少なすぎはしまいか。ってそんなコトはドッチでもいいのであって、新製品の特徴はいったいナニなのかが問題なのだな。
この商品は粉末ソースと乾燥アオサ添付というのがウリらしくパッケージトップに律儀な文章仕立てで書かれている。開封すると中からは昔ながらの粉末ソースにアオサの小袋が出てきた。

近年はカップ焼そばも激しい競争に晒されているので品質向上のためにスペックがずいぶん変わっている。今やソースは液体タイプが主流で(おや、この粉の小袋は?)と思うと旨味を加えるダシだったりするワケであってナカナカに本格テキなのである。
もちろんそうした液体ソースによる味付けはリアルな焼そば風味となって期待に沿った満足感が得られるものだが、こうした昔ながらの粉ソースにも独特な世界があって捨て難い味なのである。

ちょっと時代遅れテキな感覚も在るので新製品に採用するのはかなり勇気が必要だったと思われるが、消費者から「この味じゃなきゃダメなのよ」という声が数多く寄せられているのか、ソレともソコは金ちゃんの開発陣のコダワリなのかは知る由もないが、とにかく金ちゃんラーメン同様に美味しいと感じるポイントを頑なに守る姿勢は評価したいのである。
ところでこのアオサ、浜名湖当りでは漁業のジャマをする厄介者として忌避され続けていたが「お〜し、ソレなら逆に美味しく食べられるようにしたろーじゃねーか!」という漁業関係者が現れ、近頃は乾燥品を味噌汁の具などに使いやすいようにしたものをよく見かけるようになった。
と云ってもアオサは他のエリアでは昔から食用にされてきたようであってレッキとした食用海藻類なのである。ただしアオノリなどに比べて香りや食味は劣ると言われ、安価な代用品の域を出ていなかったが、よくしたもので収穫量が少なく高価なアオノリに代ってこのところ全国テキに出荷量は増加していてポテトチップスやフリカケなどに用いられているものは殆どがアオサだという状況のようだ。
香りが強すぎてちょっと入れただけでも料理を支配してしまうアオノリに比べアオサの優しい風味が万人に好まれている証拠かもしれない。しかし金ちゃんもアオノリとせずにアオサと堂々謳う辺りには勇気が必要だったろう。


金ちゃん 徳島製粉株式会社
http://www.kinchan.co.jp/




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