最後まで『なんちゃってカツ南蛮ライス』(オマケつき)

インチキ野郎は最後の最後までイカガワシい料理でヒトを翻弄するのである。いや、そうは言っても食す者が満足のゆくものであればソレで経済は成り立つのであって“なりすまし”でも詐欺でもない。

だいいち最初っから明快かつ堂々と「なんちゃって」と宣言しているのである。例えばカネを持っていそうなバアさんに
「ボクは息子を名乗った別人ですが、さっき電車の中に手形の入ったカバンを置き忘れちゃってさ(震える涙声)、穴埋めしないとヤバいんだよ…うん、1500万… 今、上司もいるから替るね」
「あ〜四条と申します。ええ、さっきのヒトとグルになってる人間です。息子さんには大変お世話になっております、はい。普段の勤務態度や成績も上々で将来は有望な幹部として期待しているんですけどね、まあちょっとこのミスは痛いものですから、なんとかならないものかと…」
などと予めコレが犯罪であることを宣言した上で相手に金銭を要求しているのと同じなのだから、あまり強く迫ると恐喝ということになってしまうがバアさんが納得の上で有り金をつぎ込み(あ〜これで安心してあの世に行ける)などと思えばモンダイはなさそうにも思える。

そんなワケでエロおやぢも高らかに“なんちゃって宣言”をして周囲の賛同を誘うのよ。ちゃんとソレらしくパン粉のコロモをつけたトンカツ風は、前回のように煮ただけの車麩で『なんちゃってカツ丼』として完結してしまったのと比較すれば明らかなグレードアップなのである。

ニクっぽい味付けを施した車麩はそのままパン粉つけして揚げてしまうとリング状のカツになり、そーゆーニクってのは一般テキに有り得ない形状なので1/2カットしてはなんとな〜くなカタチでメを欺くのである。
おぉ!なかなかにトンカツっぽいではないか。見た目はモモ肉カツのようだが、ばっくり咥えて噛んでみるとヒレ肉の弾力と食感…お味もさっぱりしていて、コレなら誰しもが豚肉と信じて疑わない…なんてことは絶対にないだろうが、まあそこそこイケますね♪あっはっは〜と明るい食卓と健康生活を演出できるのは間違いなさそうだ。

再びカツ丼というのも芸がないような気がして今回はカツライス、しかもタルタルソースをトッピングしてチキン南蛮ならぬ『なんちゃってカツ南蛮ライス』などという正直組になってみた。カツ丼よりインチキ臭くないでしょ?
当然の如くヨケーに揚げておいたので翌日はソレを弁当のオカズにするオマケができる。サスガに翌日はダシ汁で煮てタマゴとじすると云う『煮かつ』デラックス版なのだな。
正直に言うと“なんちゃってカツ”の場合はダシ汁を含むコチラの方がニクらしくなって美味い。だけど作ってみて思ったのは肝心のニクがなければ車麩で代用したコレも悪くはないが、テマヒマや…そう、けっこーアレコレと要するのね…コストを考えてもあまり劇的な効果はないというか、やったぜ今後はコレでキマリ!みたいな高揚感は得られない。ただ話のタネには面白いし、実際カラダが清められてゆく精進料理のような部分もあるので、カツ丼の味は忘れられないけど食生活が規制されているヒトにはいいレシピだと思う。
また作ってみるかどうか? う〜ん、気が向いたらね…



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冬の日没は早いです



4:52PM, December 10. 2011.