主役は『生しらす』しかし目立ちすぎた『つぼっこ』

生しらす』を美味しく食べるための処理方法を教えてくれた由比在住の知人に「いつもドコで生しらすを買ってるの?」と訊けば「蒲原の秋田屋さんね。鮮度はもちろん量も多いし自家製の干物もおすすめずら」とのことだった。
その日の朝に由比漁港に水揚げされたものしか販売しないので当然売り切れ御免、しかも五時過ぎにはシャッターが降りていることが多い…という話からシゴト帰りに立ち寄って『生しらす』ゲット〜!ってのは絶望テキだ。

秋田屋さんはときどき通る蒲原の旧国道1号線沿いなので休日やシゴト中にそのチャンスを狙うしかないのね。そして何度か立ち寄ってみたけれど「今日は漁がなかった」とか「お父さんが出かけてるので市場に行けなくってねえ…」などとなかなか『生しらす』にはありつけなかった。そしてあまりに埒があかないので件の知人にその旨を話すと「店先に“生しらすの赤い幟旗”が出てないとダメずら〜」なのだそうである。なんだよ、早くソレを言わんかいっ!
で、それから何度か通りかかったけれど運が悪いのか一向にその幟旗にはお目にかかれない日々が続いた。しかし先日とうとうその赤い幟旗に遭遇したのだな、シゴト中だったけどそんなことは構いはしないさ、このチャンスを逃したらこの先どーなるのか判んないもんね。


Nikon  NIKKOR-S・C Auto 1.4/50  @SONY α7

もう慌てふためいて…って、そんなにアセる必要はないんだけどね、シゴト中とはいえ。1000円も出せば食べきれないくらいの『生しらす』がテに入るので(まあ、この際ですからたっぷり食べましょう)と大パックを購入する。やれやれ、ようやく念願の由比漁港朝獲れを秋田屋さんで入手できたぜ、うふふ〜今夜はこいつで一杯飲りましょうか…とルンルンするエロおやぢだ。
しかしふとヨコを見ると四角い大きなプラ箱に“バイ貝”が大量に入れてあるではないか。獲りたてなのかヌルヌルと足をくねらせ元気に生きていて、近所の主婦らしきヒトが必死になって大粒なそれを選り出しビニール袋に入れている。おぉ〜旨そうじゃん!しらすだけってより貝もあったほうがよりリッチだしねえ、とボクもそいつを買うことにした。


Nikon  NIKKOR-S・C Auto 1.4/50  @SONY α7

基本は塩茹でとは言え風味付けに少々の醤油を垂らして茹でたほうがより美味しい。一般名称は“バイ貝”だけど、清水ではムカシから『つぼっこ』の名で親しまれてきた巻貝だ。
コドモのころ近所の駄菓子屋でこの茹でた『つぼっこ』を食した記憶がある。大きなアルミ鍋に大量の『つぼっこ』が茹でてあって赤い汁椀にひとつ入れてもらったが、お店のオバちゃんはコドモだと上手に身肉を取り出せないと思ったのか、爪楊枝でクルクルとワタまでキレイに抜いてくれた。
今は漁獲量が激減してしまったので当時のようにコドモのおやつなんて有り得ないものになってしまったのが残念だけど、その美味しい記憶は一生忘れられないだろうな、ひさしぶりに食した『つぼっこ』に満足した。ねっちりと弾力のある身肉も甘い磯の風味が素晴らしいけれど、やはりその真骨頂はワタにあるだろう。似たものにウニやアンキモがあるが、巻き貝の持つ独特なステータスは比するものがないように思われる。
おっと『生しらす』が主役だったのになあ、すっかり『つぼっこ』に注目してしまったようで…。


鮮魚 秋田屋
静岡県静岡市清水区蒲原小金342−2
TEL=054-388-2575
ACT=詳細不明 夕方6時には確実に閉まっています





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今年は例年になく梔子がよく咲きました
年末には濃いオレンジ色に染まった実がたくさん収穫出来るんじゃないかな



Nikon  Zoom-NIKKOR 3.5/43-86  @SONY α7






ムー吉殿
おはようございます!
お父様がカニ殻剥きの達人なのに息子は貝ムキ名人 \(≧▽≦)丿 おやつだったのはセイコガニってやつですか、たくさん獲れたんですね〜今ではゼイタクな夢物語になってしまったのは静岡の貝類と一緒ですね。
そう、サザエなどと違ってこーゆー巻き貝のワタには全く苦味ってものがなくてとても美味しいですよ。甘く濃厚でまったりしたお味は日本酒にサイコーですな。
ジツは好物の巻き貝がもう一種類ありましてね…すっかり高価になってますけど…そのうちに紹介したいと思ってますねん。