進化する惣菜食材

とんカツ

スーパーのお惣菜をバカにしてはいけない

昔から手作りでの販売をモットーにしている地方の個人スーパーもあるけれど、販売チェーンとしてのスケールが大きくなるほどその管理は難しくなるのでありまして、たいていは大手の業務用食品メーカーからの冷凍食材・食品を基に製造販売しているのでドコも似たり寄ったりのお味であることが多いのですね。
そして消費者のほうもデパ地下などで展開するハイソ系デリカテッセンのお味を覚えてしまうと「やっぱりスーパーのお惣菜じゃねぇ…」みたいにワンランク下に見てしまうわけですよ。おまけに今は手軽にプロの味が再現できる調合済み調味料がそのスーパーでもたくさん販売されているわけですから大いに厳しい状況にあったわけですな。

ところがここ近年その様相が変わってきたのであります。そうです、そのスーパーのお惣菜の食材を提供しているメーカーさんも死活問題なのでありまして、そこは彼らもチエを絞ってはデパ地下に負けない新製品を開発・投入してくるわけです。
その一つがこの『とんカツ』でありまして、ブ厚くて大きなニクですが柔らかくそしてジューシー…とんカツの専門店でもなかなかこうは上手く揚げられるものではありませんが、スーパーのお惣菜コーナーにはいい香りを放ちながらこんな商品が大量に並んでいるわけですね。

安くてもリッパなひと品

これにはちょっとしたカラクリがありまして、食材の豚ロースは予め " 低温調理 " という方法で火を通し冷凍してあるのです。食品の安全性確保のために厚生労働省が定める基準では63℃以上で30分以上の加熱となっており、これがまた柔らかくそしてジューシーなニク料理に都合がいいわけです。
63℃という温度はニクがタンパク質硬化を起こさないギリギリの温度でありまして、水分の放出も少ない…つまり柔らかくそしてジューシーなのにちゃんと殺菌されて食中毒の心配がないわけです。
しかも原材料としての豚ロース肉ですから、お店でパン粉つけをして揚げたりすれば「当店手作り!」と堂々と表記できるわけですよ、上手いことを考えたものですね。

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¥277の「とんカツ」   RICOH XR RIKENON 1.4/50  SONY α7

そんな『とんカツ』がこの日一枚¥277で廉売されていました。先般から『とんカツ』を喰いたくてたまらなかったボクはソッコーで飛びついてしまいましたよ。まあお値段がお値段ですからナカミの豚肉の重量は100~120gと云ったところでしょうが、平素の夕食惣菜としてならば上等です。ヤサイや手作りしたソースなどと共に皿に並べればリッパなひと品となって、今日一日の辛かったシゴトのストレスを粉砕してくれるわけです。キンと冷やしたビールがサイコーです。

食しながらふと思ったことは、揚げたてじゃなく冷めても柔らかで美味しい…う~ん、どこかで食したようなお味と食感…あっそうそう!『かつサンド』だよ!そうか、あの『かつサンド』はこーゆー食材を使っていたんだなあ…ってね。お惣菜の食材も進化したものです。


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