■ 至福のひととき
粗挽きの牛肉と共にコンカッセしたパンチェッタをしっかり焼き炒め、香味野菜のソフリットや赤ワインそして少々のトマトペーストを加えてコトコト…厨房には素晴らしい香りが漂い、ボクはその時点で勝利を確信する。
さあ、あとは茹であがったコンキリエ・リガーテに絡め、仕上げにザクッと切ったチャイブを散らせば出来上がり。このあとたっぷりとパルミジャーノ・レッジャーノをかけて食す愉しみも待っているぞ…。
ディチェコのコンキリエは茹で時間の指定が13分、肉厚で大ぶりなタイプなので一般のパスタと比して若干時間はかかるけれど、それだけにもっちりとした食感と豊かな小麦の風味を楽しむことが出来る。
熟したヲンナの豊潤な肉体を想起させるようなボロネーゼソースがそこに絡むと、フォークで突き刺し運ぶテがもう止まらないのである。半分ほど食べ進んだところでスリおろしたパルミジャーノを追いがけし、肥沃な大地の恵みをさらに味わう至福のひとときだ。
■ ジツは…
…と、まあカッコよく飾ろうと思えばソレでお終いにしておけばいいのですけれど「ぜ~んぶウソで~っす」と白状しましょうか。ジツは市販のレトルト・パスタソースを使いましたし、ホントはメーカーさんがCMで使っているようなリガトーニ(ぶっ太いマカロニで裁縫で使う指ヌキみたいなアレです)で喰いたかったわけだけど、哀愁のイナカ町スーパーでは売っていませんでした。仕方なしにトナリ町ちょいハイソ系スーパーまでアシを延ばしてみたものの、そこでもディチェコのコンキリエしかなく「まあコレでもいっか…」と半分妥協、半分投げやりなキブンで導入に至った次第です。
それでもかなり美味しくいただきました、今風な言い方ですと「マジうまうまだったぜ」みたいなカンジですかね。かなり…と表現しましたけれど、本当に美味しくて絶対リピート!と決心しております。このレトルト・ソースの出来は相当グレードの高いものなのでありまして、当家に於ける平素の食事にはオーヴァークオリティーであります。客人をおもてなしする時でも安心して採用できる逸品かと思いますよ。
因みに刻んだチャイブだけは当家の自家菜園で冬越ししたホンモノでして、優しい風味がなんともこの料理に合うものでした。ただそれも哀愁のイナカ町スーパーでチャービルやイタリアンパセリが売っていなかった…という悲しみの産物なんですけどね。
◆ DE CECCO
https://nisshin-foods.jp/b2b/dececco/
◆ REGARO
https://www.nippn.co.jp/BrandB/regalo/
■ オオイヌノフグリ
そんな菜園の片隅にたくさん咲いている小さな花
オオイヌノフグリ… 直訳すると「大きなイヌの〇ンタマ」ですな
なんでも果実のカタチがイヌのそれに似ていることからの命名らしいです
まあエラい学者センセもなかなかにユニークなセンスがあったってことですな
青いNEON発光のように鮮やかな色彩を放つこの小さな花は 春の季語になっています。
高浜虚子もこんな一句を詠んでおられまして…
犬ふぐり 星のまたたく如くなり
なるほど! 別名に「星の瞳」というのがあるのも頷けるハナシですよね。まあボクとしましてはもうひとつの別名「瑠璃唐草(ルリカラクサ)」のほうがシックリくるかな。
花言葉は忠実・信頼・清楚…とこの花のイメージが良く伝わるものです。