■ 早春から盛夏まで爽やかさを運ぶ「葉しょうが」
収穫量の日本イチは静岡県
例年三月初旬に出荷が始まる『葉しょうが』はイチゴの生産で有名な静岡市の久能地区でたくさん栽培されています。地元のテレビニュースでその初出荷があったことは承知しておりましたけれど、なかなかゲットする機会がなくて…ようやくテにした先月末です。
因みに農林水産省のデータでは静岡県は全国の生産量の半分近くを占める名産地なのでありまして、二位の千葉県と共にその需要の八割超を担っています。県が認定する「しずおか食セレクション」にも選定されていてジミながらも個性を発揮しているのですな。
『葉しょうが』と云っても葉を食すわけではなくフツーの生姜と同様に根の部分をいただくわけですね。古根から発芽した柔らかな部分なので軸とその葉をつけたまま収穫と出荷が行われるためその名がついているのです。首都圏とその近郊では『谷中しょうが』のナマエで親しまれていますが、いずれにせよ春から初夏がその旬で歯ごたえと爽やかな風味がたまらなくいい感じなのであります。
やっぱり " 味噌 " でしょ
食し方はいろいろあります。酢漬けにした " はじかみ生姜 " は長期保存が出来て焼き魚などにとてもよく合う加工品ですが、新鮮なものはやはり味噌をつけて生でいただくのがサイコーでしょう。
パリッとシャキッとした歯ごたえ、古根生姜のように刺激テキな辛さは控えめで柔らかな辛さが爽やかさを呼びます。味噌の塩分と風味が重なるとビールの肴としては無類のチカラを発揮しますが、やはり冷やでいただく日本酒が相棒キングです、美味くて美味くていくらでもクチに運びたくなります。
これを食すと春本番、そしてやがてやって来る初夏に想いを馳せることになるのです。