■ 稼ぎ頭の庶民派マグロ
ニッポンが漁獲水揚するマグロ類は5種類、キハダ・メバチ・ビンナガ・クロマグロ・ミナミマグロです。ひとつだけご注意願いたいのは巷でよくメにする " ビンチョウマグロ "ね、このナマエの魚は存在しません。あれはビンナガマグロの読み間違い&言い間違い…誤用も甚だしく恥ずかしい名詞・呼称だと主張して参りましたが、それもなんだか雲行きが怪しくて既に定着してしまっている…と云う恐ろしい世の中でございます。あ~いきなり脱線、元へ。
その5種類の中でいちばん高級なのはクロマグロですな、本マグロなどとも呼ばれます。青森の大間で漁獲されたナマなどはとても庶民のクチに入るものではなく、ボンビなエロおやぢに於きましては然もありなん…てなところですな。
ではいちばん庶民に近い存在はどれかと申しますとキハダちゃんなのですよ。農林水産省の統計は2016年分までしかありませんが、マグロ全体の漁獲量の68.6%、つまり約7割がキハダマグロってことなのですね!マグロ軍団の稼ぎ頭です。

生食用でも加熱用でもやはりキハダをいちばんよくメにします、特にナマエを謳っていない限りキハダだと思っていいかな。ただ静岡は遠洋漁業基地の清水や焼津という漁港があるのでビンナガの未冷凍ナマなんぞもよく流通しておりましてね、安い上にまたベツの美味しさがあるのでよく購入してきます。ヅケなんかにするとサイコーでしてね…って脱線ですよ、今日はキハダのお話ですから。
そのキハダ鮪のハラモが廉売されておりました。こいつをササッとタレに漬けて焼いて喰うと美味いんです…ってことで、テーブルを共にする晩酌の一献を想像してはニマニマしながらカゴに入れるエロおやぢなのです。

醤油・酒・味醂に若干のお砂糖を加え、やや甘加減なタレを作ります。20~30分も漬けておけば充分でしょう、あとは強火の遠火でジックリと焼きあげるのみであります。
困ったことにハラモはご存知の通り肉がスジ状になっているので内側の膜を剥き取ると加熱後はバラバラになってしまうんですね…、ココが料理人のウデの見せ所なんでしょうけれど、哀しいかなトーシローは成り行きに任せるしか術がないのであります。きっと和食の料理人さんなんかは細い金串を打ったりするんでしょうね。
ちょっとゴマ化しながらまあなんとかカッコつけました、いい照りになって美味しくいただきましたよ。あ~美味いなあ…酒が進んじゃってヤバヤバ…ほろほろと美味しい。脂のりもよくて美味しい。滑らかな舌触りもいい。誰か料理してくれるならもう一枚食べたい。