■ ポテサラ業界の新機軸
例年になく大量に収穫した柿の消費は喫緊の課題でしたが、ここに来てようやくそのメドが立ちました。イヤイヤ喰っていたわけでは決してなく、逆に毎日のように食しても美味しくて美味しくて…全く飽きるということがなかった柿であります。ただ早くいただかないと腐敗させてしまうのでは…といった恐怖感やケチ根性に支配されているだけでありました。
その消費方法のひとつとしてアイスクリームと共にデザートとしていただく…というものがありました。柿自体が非常に甘くて美味しいものでしたからアイスクリームとの相性が良いのも当たり前でありまして、気が付けば何個もソレで喰っていたという蜜に群がるアリ状態でした。
アイスもフツーのものでは満足できないので…いや決して不満を持ったわけではなく、もっと上もっと上と限りないヨクボーが湧きあがってくるために、単純にエスカレートしているだけでしょう…終いにはクリームチーズと煉り合せたものをテメーでセッセと作っては柿に合わせてみたりもしました。
こいつはエクセレントでしたねえ、柿のとろりとした食感や香り甘み旨味を全くスポイルすることなく、クリームチーズの優しいクチ溶けがデリカシイを感じさせる逸品でありました。作った奴がサイテーなのに、そこにデリカシイなんてものが存在していることが不思議ではありますけれど、実際そうだったのですから仕方ありませんな。
ただガサツな盛り付けやテキトーな提供タイミングのせいか、本来の美味しさが発揮されていなかった気もしないではありません。ここはもう一度アイス&クリチーのミックスでリベンジ興行のジッコーなのであります。
今回ゲットしたものは無添加の Arla 製品ではなく、クリームチーズをホイップして滑らかさに一段と磨きをかけた製品です。よりソフトリイな上質感を演出したかったからであり、また市販品にない品の良さを求めてのことであります。
作った奴が下品なのに、そこに品の良さなんてものを求めるなんてまたまた不思議ではありますけれど、ヒトはテメーが持っていないものを求めがちなのでありまして、例えば粗野な男ほど優雅で知的かつセクシイなヲンナを求める…って違う!脱線だろが、元へ。
器に半ネリ状態のクリチーアイスを均し、そこにカットした柿を並べ、再び冷凍庫でお眠りいただくわけです。冷凍庫からの出したては硬くて食べずらいものですから、少しだけ間をおいていただくよう時間にはヨユーを以って行動願います。
オリーブオイルはなるべく上質なもの…EXヴァージンのサルバーニョなど定評と実績のあるオイルを使うと良いでしょう。柿にタラ~リしたらブラックペッパーやミックスペッパーをミルしてお味のアクセスポイントを増やしましょうか。
もうデザートと云うよりは、前菜としていただくクリーミイな柿サラダってカンジですね。うふふ♪これは来年も絶対に何度かジッコーしようぜ!となる逸品であります。
さてもうひとつの柿料理はポテサラです。えぇっ?ポテサラかい…マジですか。もちろん本気モードですよ、レシピは単純そのもので、通常は蒸す或いは茹でた人参を使うところを " 柿の果肉 " に置き換えるだけです。
これがまためっちゃ美味かったんですよ。スキレットの上で加熱された「柿ポテサラ」は旨味と香りを増してホットなマッシュポテトの高級ヴァージョンですね、人参さんゴメンナサイです。昔からよくポテサラにはリンゴやミカンを混ぜたものがありましたけれど、あれは甘味とか酸味を加える目的もあったわけですね、もちろん彩の良さもプラスです。
ところが柿の場合はそこに旨味や自然で濃密な風味が加わって、もうステータスが全く違うわけです。あぁジツに美味い。サルシッチャの旨さは不動のものですが、そこをすっかり飛び越えて「柿ポテサラ」だけが静かにそして深い喝采を得た感じです。
ポテサラ業界もいよいよ新たなフェイズを迎えたようですな、今回は家庭での試作なので生の柿を使いましたけれど、ある程度の保存性が要求される業務商品であれば " 干し柿 " なんぞを使う方がより美味しく、また滋味のあるお味が形成されるものと思います。ハイクラスなポテサラの新機軸、どちら様か始動なさいませんか?
このところ少しばかりご無沙汰だった赤ワインをお供に、サルシッチャのジュウシイで旨味のあるミンチ肉を愉しみましたけれども、終わってみればすっかり「柿ポテサラ」に主役を奪われちゃってました…みたいな食卓です。
しっかり食べ尽くした生の柿ですが、あとは冷凍庫に保管してあるものだけになりました。それらもどうやって美味しくいただくか…ちょいとお楽しみな悩みを抱えた日々を送っております。
■ 霜月の庭風景 衰退する葉
ザワザワと音を立て蒼々と茂っていた柏葉も
冬の足音に勢いを失っております
まもなくカサカサとした音の枯葉となって
一枚また一枚と舞い落ちる季節に
紫陽花の葉もその役目を終え
来年のために散ってゆく運命にあります
よくがんばりました
ギリギリまで懸命に光合成をしようとする姿