■ 切さんしょう
年末年始の縁起物
いつものスーパーで変わった餅が売っていたので購入してみました。『切さんしょう』ですか…聞いたことありませんねえ、はてドチラの食べ物?と袋に貼ってあるラベルを見ますと山梨県甲府市の住所で " 平和堂 " さんとなっております。
帰宅して母上に見せますと「一般的には " 山椒餅 " って呼ばれるもので、鎌倉に行くとあるし、京都でも食べた」とのことです。う~む、これは古都であるとか神社仏閣に関する食べ物なのでしょうか。
ということでネット検索して調べてみますと、概ね登場するのは山形県と山梨県であります。あれ?鎌倉や京都はどこに行っちゃったの?ですが、まあいいや。そして両県共に「オラが発祥の地だべさ」みたいな主張が展開されているわけで、ますますワケが判らなくなってしまうのですよ。その由来を深く探ろうとしても、どうせ出てこないでしょう…とにかく年末年始の縁起物ってことだけは確かなようです。
原材料は上新粉に砂糖と山椒粉そして食塩など。若干量の色素などを加えてありますが極微量ですね。とても柔らかくクチあたりもよくて、なおかつふわりと山椒のアダルトな刺激が伝わってきます。糖分は控えめで、品よくはんなりとした甘みがいい感じ…雅どすなあ。
気に入りました、山椒のピリッとした個性テキな香りがしっかり練り込まれていて、確かに年末年始の倦怠感に満ちて堕落した舌に喝を入れる存在として、真に貴重なものかも知れません。そして酒呑みのクセにこーゆー餅菓子もスキスキ大スキなのはどうしてなのでしょうね。
それから数日後、スーパーの売り場は節分やらバレンタインデーの商品ばかりになってしまって、この『切さんしょう』は影もカタチもありません、やっぱりその時期だけの縁起物なのですな、また何度でも食べたいんですけど。