■ やきとん
季節を選ばない大定番
居酒屋メニューの定番『やきとん』であります。
豚バラ肉をヤサイと共に串打ちし焼いたものですが、地域や地方によって呼び名は変わり北海道室蘭では「やきとり」、西日本では「豚串」などとかの地の生活に沿ったものであり、何れにせよ庶民の食文化を楽しく彩る肴なのですね。
レシピはタレ・塩どちらでもオッケーですが、これに関しては塩コショウのものがエロおやぢの好みです。豚バラ肉の旨味をスポイルすることなく上手く引出し、酒のイグナイターとなる存在…もう焼いている途中から既にその儀式は開幕しているのですな。
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四季の何れかを選ばない所も『やきとん』の素晴らしい点で、全く同一の調理方法でもその美味しさに違いを感じない厳然たるものがあるわけです。あへて食卓の全体像をまとめてみるならば、寒い時期には湯豆腐やヤサイの煮物などを並べてみたり、また暑い季節には酢の物や中華風の冷菜などを相席させてやると、より一層その美味しさが際立ってくるのかな。
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ただし相棒とするアルコールはやはり季節に相応しいものを選ぶべきで、燗をした日本酒や焼酎のお湯割りがやたらと美味しく感ずるときもあれば、白ワインの爽やかな酸味やキィ~ンと冷えたビールの苦みが豚肉の脂をきれいさっぱり洗い流してくれて次のステップに誘ってくれたりもするのですよ。
しかし瓶ビールってのは今やすっかり飲食店だけのものになってしまいましたね。飲んで美味いのは缶より瓶ということを知っていらっしゃる方も多いのでしょうけれど、なにせ重くて嵩張る空瓶の後始末…それが今やすっかり生活の常識ではなくなってしまっているのですな。
資源のないニッポンはSDGsなどとエラソで高邁な意識づけをさせる前に、こうしたリターナブルなシステムを復活させるべきだと思うんですけれど。リサイクルではありませんよ、リターナブル。