スジコで朝めし

スジコで朝めし

格下と見くびるなかれ

朝めしのお供はいろいろありますけれど、自分としては懐かしくそしてちょっと特別感を持っているとでも言いましょうか、とにかく『スジコ』が大好きです。炊きたての白ゴハンにどかんと乗せ、そのスジコとゴハンを交互にクチに運ぶのですよ...あ~もう思い出しただけでもヨダレじゅわ~ですな。
釧路に住んでいたころはよくいただきました。生産地で安かったこともありますが、こうした水産物の物価水準が今より遥かに低く、父親の当時の給与でもさほど不自由なく購入できる価格であったと記憶しています。ですから下のフォトのようにケチケチ乗せたりせず、もうバ~ンと1/2腹いっちゃいましょう!みたいなマネをしても一向にモンダイはなかったのですが、残念なことに昨今はお値段が高騰している上に、ひと粒ひと粒が小さくなった気がします。クチの中で潰れたスジコからもっと強力な量のエナジーが放出されていたはずだ…と記憶しているのは単なるノスタルジイではないと思います。

スジコで朝めし   Carl Zeiss Batis 2/40 CF  SONY α7RM5

世間一般では『イクラ』のほうが珍重されておりまして、しかも赤いダイヤなどと呼ばれあのキラキラと輝く様と、弾けるツブツブ感やゴハンの上でバラけやすくて喫食が容易であるなどの理由で市場価格は高いものですけれど、元はと云えば同じものなのでありまして、イクラは単にスジコの外幕や血管及びスジなどを除去して塩漬けや醤油漬けにしただけのものなのです。
確かにイクラは鮭のタマゴちゃんとして純粋で品佳いお味ではありますけれど、比較的安価なスジコが何故にいつの時代も好まれるかと申し上げれば、カンタンに云えばあの " 雑味 " なんですね…そう、魚類の卵が持つあの独特の風味やクチ触りが残っていて、だからこそ旨味もその分だけ残存しているわけです。格下などと見くびってはなりません、ツウは『スジコ』でその道の真髄を極めているのですよ。
あぁ、もっと喰いてえな…日本固有の領土である北方四島とその周辺海域そしてサハリンの南半分が帰ってくればより水産資源が豊富になるのに。狂気の盗人ロシアがウクライナに手こずっている今が絶好のチャンスなんだけど。
 
 

 
  
 
 

ご近所ぷらぷら August 26. 2024.


以前は耕作地だった場所は整地されて
倉庫や事業所が出来たのがもう何十年も前のことですが
時代は流れてその事業は廃業となり
入口に立つサインボードだけが残されています
看板表面は劣化して落ちたのか
それとも耐風雨性を考慮して取り外したのかは判りませんが
スケルトンとなって未だにこの場所にある姿に
未来のニッポンを重ねてしまうのはヘンでしょうか

ご近所ぷらぷら August 26. 2024. スケルトン・サインボード   Olympus PEN-F F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8  SONY NEX-7