葉生姜と焼鳥 - artなfoodsのDiary

■ 葉生姜と焼鳥

酷暑に萎える軟弱精神に喝

首都圏及び関東地方では「谷中生姜」の名で流通していると思いますが、千葉茨城両県を抑えて生産量日本イチを誇る静岡県では「葉生姜」という名称が一般的です。令和二年の農林水産省統計では出荷量に占める静岡の割合は48％、千葉26％・茨城16％を大きく引き離し堂々たる首位に輝いております。
初夏から盛夏を過ぎるころまで収穫出荷され、サワヤカな辛みと透明感のある香りに魅了される「葉生姜」ですね。
巷では様々な食べ方が公開されておりますけれど、なんてったって味噌をちょいとつけてガリっと齧る喰い方が最もその美味しさを引き出すものと確信しております。この時期は酷暑に萎える軟弱精神に喝っ！とばかりに、ヌケのよい辛みでビンタを喰らうのもなかなかに快感なのであります。

葉生姜と焼鳥　　　Carl Zeiss Jena　Tessar 50mm F2.8 (M42 Zebra)　　SONY α7

あぁいいものですな、焼鳥の脂や甘辛いタレに染められデレデレとヲンナにヤらしい視線を送るかのような不謹慎なふるまい、そして正しい姿勢と言動を失いかけていたクチに「そうじゃねえだろっ！」と厳しい指導を加える「葉生姜」、真夏の不如意な出来事とはいえ過ちを犯さないように導いてくれるこいつには毎年のように助けられているのですな。
出来るだけ細いもののほうが辛みは少ないのですが、玉状に膨らんで成長したものは香りもたくさん纏っている分辛みも強くて、その見極めは難しいものです。たまに、あ～外しちゃったなぁ…みたいのもありまして、晩酌の最中にヒイヒイしていることもありますけれど、そーゆー時は潔く諦めてヌカミソなんぞに突っ込んでおきますと、翌朝のゴハンが天国になるのですよ。

もちろん相棒に日本酒は欠かせない存在ですが、キンと冷えたビールも堪らないものですよね。「葉生姜」を齧りつつ「焼鳥」に舌鼓、辛みが想定値を越えていてもビールでリセットしてやれば、次のステージへの移行にストレスを感ずることも少ないでしょう。
とってもイヤな夏って云う季節なんだけど、こうした食事でネガティヴな感情から逃げることが出来ますよね。まあそんな小難しいことは考えなくても、スカッと爽快な晩酌でぷち現実逃避ってもの悪くないと思います。