レンコ鯛とカサゴのひもの


町奉行所の与力・青山久蔵に、仕事上の失策で強く叱責を受けた仏田八兵衛。
ヤケ酒を浴び足下もおぼつかない体で帰宅するが…

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「ヒャヨイさん、たらいまけーりやしたぁ…ヒック」
「まあ!八兵衛さんたら!どうなさったんですか、こんなに酔っぱらってしまって。
 おぉ酒クサ!ちょっと飲み過ぎなんじゃないですか…なにかあったのね」
「ろーしらもこーしらもあたもんひゃねぇよ\xAD\xFC^*つд⊂)エーン;-д- )=3y─┛~~ …」
「はいはい、しっかりしてくださいヨ!今お水をお持ちしますから」

( ゴォ〜、ゴォ〜と聞こえる激しいイビキ )

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「八兵衛さん最近ちょっとおかしいわね。いくら箕輪のダンナに出し抜かれたといっても、そこまで気にすることもないとは思うんだけど。
今日だってこの“連子鯛とカサゴのひもの”を長崎から飛脚で取り寄せたのは、八兵衛さんが食べたいって言ったからなのに… そりゃね、南蛮料理に比べたらちょっと見た目はシブイかもしれませんけど、胡瓜だって今朝の獲りたてを蛇腹にしてお漬物にしたりと、ワタシなりに工夫はしてるのよ。
蒸しガキだって「今度は“ねぎみそ”で食べるゾ!」ってアナタが言い出したのよ、ワタシは“かんずりポン酢”がスキなんだけど、八兵衛さんのためを想ってさっき作ったのに。
ごめんなさいね、確かに焼鶏はご近所のお惣菜屋さんのモノだけど、でもワタシのより美味しいもんでつい…。
八兵衛さん、このごろ四ツ足のお料理もよく召し上がるようですけど、食べ過ぎはカラダに障りますからね、特にホルモンなどは医者のワタシがダメって言ってるのに聞かないんだから…プリン体の多いものはなるべく避けて下さいね。
青山様にもお願いしておこうかしら…」

ひっくり返って寝ている八兵衛を前に、一人ボヤく弥生であった。

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本作品はフィクションであり、テレビ朝日八丁堀の七人」とは一切関係はありません(〃▽〃)

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マルケ サンジョヴェーゼ
イタリア・マルケ州産2005 赤・MB

スパっと割り切りのよいワインである。
産地とブドウの品種がそのまま名前になっているのもその証だろう。もっとも高級品ではこうしたコトはしないであろうから、このワインのランクもお察しの通りである。
しかしいくらワンコインとはいえ、侮れない実力を持っているのも事実で、バランスの良いボディーはオリーブ油を使った料理に気楽な相棒となる。
カシスのフルーティーさや柑橘を彷彿とさせる酸味が、フレンドリーなワインとして傍らで語ってくれる。

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  『 朝 露 』









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