石窯焼きのピッツァ  

 サルバトーレ・クオモ氏プロデュースのピッツァ・レストランが静岡にも出来たという話は聞いていたが、おシゴトにかまけてすっかり忘れていた。先日お会いした方から「行ってきたよ、すごく美味しかった」という感想を聞き、年末年始の買い出しの折には必ず訪れてみようと固い決意を抱いていた。

 デパ地下でのお買い物は気もそぞろで、アタマの中は薪の香りのする石窯焼ピッツァに一刻でも早くありつきたいと願う欲望がウズ巻いていた。
まだ正午には30分以上早かったのだが母君と奥サマは
「ゼッタイに混むから早く行こう」
と主張し、ボクはもちろん大賛成の早足クンに変身する。
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ほうれん草と生ハムのサラダ。いわゆるドレッシングらしきものは一切かかっていない。
オリーブオイルとパルミジャーノそしてアクセントのナッツが調味料のシンプルなサラダだが、こんなにハムの美味しさを際立たせる手腕に驚く。
特別上等な生ハムではないが前菜テキ扱いにしたくないと思わせる料理は、クルマで出かけたランチでなければワインのお世話になったであろう。

 お決まりのマルゲリータはお店の実力が明確に表現されるピッツァでもある。もちろんこの店サルバトーレさんでも注文してみたがサスガに本物である。
香ばしくそしてもっちり焼き上げられた生地は、たとえ何も乗っていないとしても充分な満足が得られるであろう。それ位石窯焼きのアドバンテージは大きい。

 野菜本来の旨味が凝縮されたミネストローネはパンとチーズも入ったグラタンスープタイプだ。
化学調味料の味が全くしないこのスープに同席者たちは驚嘆の唸り声をあげる。
実にクリアで深い甘味にヤケドをも恐れない勇気がスプーンを口に運ぶ動作をやめさせてくれないのだ。

 いよいよ重鎮の登場、コレも凝った見た目ではないが恐ろしい体験をさせてくれた一枚でもある。
その名は「D.O.C」(ドック)。
生地にモッツァレラとチェリートマト&バジルのみのヒジョーに切れ味スルドイ料理である。トマトソースでさえ排除したこのピッツァに感動しない者はいないだろう。
チーズの質の良さも特筆に値する。経時変化の少なさと滑らかな舌触りは一級品の証だ。
給仕が持ってきてくれた唐辛子入りのオリーブオイルをさっと振りかけて食せば、究極の世界が脳裏に刻まれる。
先のマルゲリータと共にオーダーしたのだが、間をおいて提供してくれたお店の心配りも素晴らしい。
焼き立ての熱々を食べてもらいたいというスピリッツを実践する姿勢がリピーターを増やしているに違いない。

ジェノベーゼも秀逸。今まで食べた同パスタの中ではピカイチの出来栄えだ。
ソースの香りや調味の加減はパーフェクト、角切りにしたソーセージにちょっとショックなほど愛着を感じてしまうバランスの良さは、とてもマネは出来ないだろうと悲観テキな気持ちにさえなってしまう。




この調子なら他のパスタ料理もかなりのレベルが期待できそうだ。
食後のエスプレッソを楽しんでいると給仕クンがデザートのお勧めにやってきた。
ん〜ナカナカ抜け目がないのである。


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同席者たちは「もーオナカいっぱい♪」などとのたまっていたにも関わらず、やはりドルチェには喰いつきが早い。



ティラミスはケーキ屋さんのモノとは一味違う。
濃厚なマスカルポーネの甘味にビターなコーヒーリキュールが絡みつき、おなじみになったこのスイーツにもまだ見るべき世界があったのかと気づかせてくれる。
やみくもに食べ漁るコトを拒絶する気位の高さが心地よい。

そして初めて体験する「アフォガード」。
バニラアイスクリームに熱いエスプレッソをかけて食べるこのドルチェ、イタリアンではスタンダードらしいがボクは未経験であったので興味深々。
メタボなハラにもスーっと溶け込むビタースイーツが季節に関係ない佳作として長年メニューを飾ってきたのもうなづける。
一回で二度美味しいお得なドルチェでもあるのだ。





PIZZA SALVATORE CUOMO
http://www.salvatore.jp/restaurant/index.html
静岡県静岡市葵区紺屋町6-7 静岡パルコ2F
PHONE : 054-903-8665


Lunch : 11:30-15:00 (LO 14:30)
Tea Time : 15:00-17:30
Dinner : 17:30-23:30 (LO 22:30)


MAP


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今朝の富士山
冠雪量が増えました


AF-S DX NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G ED / Nikon D40
2007.12.30. 07:32 @Mannohara−Fujinomiya