いったい何年ぶりか…『ハタハタの飯鮓』

たまには思い出して「あぁ食べたいなぁ」と思ってはいたものの、そうした食習慣のない静岡ではもうムリなのね…と諦めていた北海道の“いずし”を年末のデパ地下で見つけた時には、本当に心躍る思いだった。


塩漬け後流水で時間をかけて血抜きした魚を米麹で蕪や人参とともに漬け込み発酵させた食品が“いずし”である。平仮名表記が無難ではあるが本来は飯鮓あるいは飯鮨・飯寿司と書くべきであって、特に「鮓」や「鮨」は“醸造酢を加えずに自然発酵させた『なれずし』の意味を持つ漢字”なので外すコトに抵抗を感じる。
ゆとり教育とやらで日本国民総バカ一直線となってしまった現在、このような抵抗をしてもムダなのかもしれないがボクが生きている間くらいはマトモな日本語を提唱し続けるコトがこの国の文化を築き上げてきた先人に対する礼儀だとは思うのね。
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さて、そんなハナシは食べ物の味を落とすだけなのでもうヤメにして、この飯鮓についてもう少し語ろうではないか。
一般テキにはハタハタを使ったモノが一番流通量が多いが、他の魚種も使われる。サケやニシンもよく用いられ、それぞれにその美味しさを発揮する。ハタハタが非常にバランスに優れたものになるのに対し、サケは品の良い味でニシンは強い旨みと個性が光る飯鮓となりボクはドレも好きである。
ゴハンと魚が双璧を成す飯鮓から派生した食品に“さかな漬”というモノもある。使う魚種は似たようなものだがヤサイをたっぷり加えイカニモ漬物っぽく仕上げる違いがあって、大ぶりにカットしたキャベツや大根がバリバリと心地よい歯ごたえを生む。変わったところではコマイやホッケ、カレイを使ったモノもあり北海道の海の幸らしい楽しさに満ちている。
スーパーやデパートで時折見かける“石狩漬”は鮭を使ってミルフィユ状に重ねた“はさみ漬”であり、コレも非常に美味しいがチトお高いのが痛い惣菜でもある。
年末年始と日本酒のいいお相手をしてくれた飯鮓、次に食べるコトが出来るのはいったい何時なんだろうか…




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日没どきの富士山
昨日は紅富士とならずに山頂だけが赤くなる珍しい光景が観られました



4:50PM, January 08. 2010. @Fujinomiya-City

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