九十九里からやってきた『いわしフライ』

もちろん駿河湾イワシが獲れないワケではないし魚屋に行けばピカピカ新鮮な地元イワシがいくらでも並んでいる。だが三枚おろしのフィレがバラ凍結されたものは使いたい量を自由にコントロール出来てまことに都合がいいのだ。

冷凍フィレの産地を見ると千葉県の銚子となっていた。九十九里浜の40km以上にも及ぶ長い砂浜の中央には片貝漁港などもあってソコにもイワシは水揚げされるが、やはり大量に加工する施設が在る場所と云えば大きな漁港すなわち銚子というコトになるのだろう。
以前に焼ハマグリを食べに行った九十九里・片貝の磯料理屋さんでいただいた鯵のサンガ焼は非常に美味しく、それはアジばかりでなく地で揚がったイワシなども用いて造られる郷土料理なのである。ネギや生姜・大葉といった和の香草と味噌を魚の身と一緒にタタいては貝殻や陶板に塗り付け焼いて食すというシンプルな料理だが、コレがまた酒の肴によしゴハンによしというひと品で、いつかはジブンで作って食してみたいものだとは思ってはいてもナカナカそのチャンスに恵まれていない。
たいして難しい調理でもないのにサッサとやればよいものを…とは思うが、やはりこういったフライなどイージーな方向に流れてしまうのはハンセーしなければならないだろう。ただ天ぷらやフライといった揚げ物にもいくつか長所があって、コロモに包まれて加熱されるのでその旨みや香りがシッカリと閉じ込められたままふんわり仕上がるといった部分では他の料理にはないものがある。
ウスターソースをかけたりマヨネーズをちょいとつけてみたり、或いは塩をパラリと振りかけてみたりとビールの相棒としては申し分がない。カリリとコロモを噛むと中からはイワシの旨みがジュワッと飛び出してきて… そのアトはいつもの果てしない快楽のツボにハマってゆくのであった。



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Sora



Afternoon, June 28. 2010.