千葉県の香取市は霞ケ浦の南に位置し、茨城県との県境をなす利根川流域の自治体である。KatoriのKと植物の葉や水郷をモチーフにした市章はニッポンの地方自治体には珍しくセンスの良さが光りたいへん美しく優秀だ。
産業は農業だけかと思っていたら、やはりと云うかちゃんと畜産業も存在するのであって、特に養豚は特色ある品種を育成しているのであった。
その豚はBB豚と言ってブリティッシュ・バークシャー種=純系黒豚と沖縄のアグー豚を交配させた“サンライズ黒豚”で、麦が主体の飼料が生み出す優良な肉質はたいへん高い評価らしい。
できればこんなレトルトカレーではなく豚しゃぶやグリルドポークとかトンカツでその味わいを正確に把握してみたいところだが、現地でないとソレを楽しめないのは無念なのだな。それに霞ヶ浦方面にアソビに行ったとしても、その時の都合によって豚肉料理にするとは限らないし、なかなか巡り合えない事は想像に難くない。
しかし有難いことにおチ〜バのマダ〜ムからこのレトルトカレーをいただいたが故にそうした名産豚を知るキッカケにもなったのだろうし、そのうちきっとチャンスもあるでしょ…とお気楽に構えることにする。
さてそのパッケージには“インドカレー”と銘打たれていて、いったいどんな展開が待っているのだろう!と強い期待を抱いていた先には少々の落胆が待っていた。そう、ちっともインドカレーではないのである。それどころかルウはカンペキなイギリス式で野菜や脂質から出来上がった自然の粘性ではなく小麦粉によって作られたトロミなのであって、ひとくち食してガックリなのであった。
ただし使われている香辛料はインド料理に特有なものが多く含まれているらしく香りは豊かでソレっぽい。きっと製造元はそんな特徴をしてインドカレーと呼ぶのだろうが本来のものではない。惜しいではないか、先入観なして食せばフツーに美味しいカレーだし、件の豚肉だってずいぶんたっぷりと奢られていてニク好きには満足な仕上がりなのだから。そろそろカレー=インドという短絡テキ発想から脱却してもいいのではないか、ボクはそう思うのよ。
そりゃね「こいつシタールの名手で民族音楽やってるんです」と紹介された人物をステージに上げたらパンクロック始めちゃいました〜だと誰でも怒るわな… いえ、パンクロックがよくないって言ってるんじゃありませんからね。
◆サンライズファーム
http://www.sunrisefarm.ne.jp/