葉生姜でいただく初カツヲ

久能名産の葉生姜

目ニハ青葉 山不如帰 初鰹 … 江戸時代に俳人の山口素堂が詠んだ有名な句でありますがその「初ガツヲ」ね、とうとうその季節になりました。
実際のところもう少し前から市場に出回っておりましたが、高価なばかりで食味にその投資が反映されないので少し落ち着くまで待っていたエロおやぢであります。確かにお値段のこともありますけれど、もう一つの理由は件のカツヲを食すために合わせる薬味、そのひとつである生姜の新物が本格的に出回るのを待っていた…と云うのもあるわけです。
 
静岡市と旧清水市の間にある久能地区は昔から石垣イチゴの栽培が盛んなことで有名ですが、このエリアでは意外に他の野菜も個性的なものが多く産出されておりまして、近年はナスなどのブランド野菜が注目されています。
その中に「葉生姜」というものがありまして…まあ所謂首都圏で言うところの「谷中生姜」ですな…これがまた初夏の味として多くの県民に愛されるヤサイなのですよ。フツーは味噌などをつけてそのままポリポリといただくわけでして、ビールや冷酒の相棒としてはサイコーっ!てなカンジなのですね、初夏から盛夏にかけての愉しみであります。

葉生姜でいただく初カツヲ   Nikon Ai Micro-NIKKOR 3.5/55  SONY α7

そんな「葉生姜」を初カツヲと共にいただきました。戻りカツヲなど脂ののった身肉を藁の炎で炙ったタタキにはニンニクなどの強い香草薬味がよく合いますが、この旬の初カツヲにはもう少しナイーブな風味がそのフレッシュなお味を引き立ててくれるように思えます。
柔らかな辛みと風味の葉生姜はまさにうってつけでありまして、カツヲにこれほどフィットする和の香草は他に類を見ません、旬の出会いとはこのことですよね。一緒に合わせる青葱や大葉そして茗荷が単調さを補い、これ以上ないご馳走に仕立ててくれるのです。あぁ美味い!

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「げんこつ」と初カツヲ

そうした肴にはキリっとしていながら芯のある風味、ユルんだ脳ミソにがつんと拳を降ろされるような日本酒があるといいものです。幸運なことにこの土地にはそうしたお酒を造る酒蔵がいくつかありまして、不肖エロおやぢもその中からチョイスできるシアワセを噛みしめているのであります。
朝霧高原で酒蔵を営む富士正酒造さんの「げんこつ」もそのひとつ、なんだかんだとよくいただくお酒ではありますが、ただ辛いだけの日本酒とは一線を画するお味はどちら様にも強くお勧めしたくなる逸品であります。
ゆるりと楽しむ初夏の宴、この先にやって来る梅雨の事は考えないようにしましょうか。




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庭風景  オキザリス


陽当たりの良い場所を好むオキザリス
ナゼかバラの根元にも勢力を拡大しておりますが
いずれ母上に引っこ抜かれる運命かな
夕刻の微光の中でその色をしっかりアピール

 

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庭風景 オキザリス   LZOS INDUSTAR-50 3.5/50  SONY α7