■ 孤高のマイナーブランド
盛夏の冷たい食事と云えば " そうめん " ですよね。特にどうしても食べたいという食事ではありませんし、シツレーな話「そうめんでもいっかぁ~」みたいな扱いをされているやや哀しい存在ではありますけれど、蒸し暑いニッポンの夏には欠かせないものであることに間違いはないでしょう。
そんな " そうめん " を先日のバカ暑い日の昼食にいただきました。げんなりするほどの猛暑で朝食も遅く摂った休日だったので昼めしなんぞはドッチでもよかったわけですが、やはり時のものをハラに収めないとカラダや脳ミソにもよくないよ…ってことで、文字通り「そうめんでもいっかぁ~」なのであります。
食品ストッカーには某有名産地ブランドのものもありましたが、古びた紙包みから出てきたのは " 南関名産 手延そうめん「関の白糸」松尾製麺 " と印字されたハコ入り " そうめん " であります。ん?南関?聞いたことないよなあ… テメーで買った記憶はもちろんありませんし、何時何処でどちら様からいただいたものなのかも失念しております。しかしなんだかその極細の " そうめん " は美味いぞ美味いぞオーラを放っておりまして、ここはいっちょ勝負に出てみましょう、ということになりました。
ヨソ様は " そうめん " であっても天ぷらやその他の副菜をたっぷり準備して栄養バランスに考慮するのでしょうけれど、それもなんだかメンドっちいしさ、手持ちの薬味だけでシンプルにキメるのも悪くないんでないかい?ってか、そのほうが " そうめん " そのもののお味が浮き彫りになって良否を見極める初回トライには向いているわけですな。
ザザっと刻んでタタッと茹でて(極細過ぎて折れ落ちるものも多く、鍋に入れるのにちょいと苦労する程です)ササッと盛り付け、あっという間に準備完了です。
いや~ナニこれ!? めっちゃ美味いじゃないのよっ!
極細なのにぷりぷりのコシにたおやかな喉ごし…う~んこれまで食した " そうめん " の中で急上昇ブッチギリの一等賞ではありませんか。で、南関そうめんねえ…ちょいと調べてみませんか?ってことで食後はネット検索であります。
エロおやぢの従来の知識では素麺三大産地と云えば兵庫県「播州そうめん」・奈良県「三輪そうめん」・香川県「小豆島そうめん」と来るわけですが、もう少し加えるなら徳島県の「半田そうめん」に長崎県「島原そうめん」ぐらいでしょう。そこに聞いたことのない南関(なんかん)ですか…ソレっていったいドコのもの?ですよね。
えぇ~っ!? 熊本県ですか!知らなかったぜ!それも江戸時代からの300年近い歴史を持っているらしいのよね、恐れ入りました。まさに孤高のマイナーブランドです。そしてこの無知さ加減をお詫び申し上げます。
シツコいようですが、本当に美味しいの。イタダキ物に頼るのではなく、これはテメーのサイフでぜひ購入すべき食品であります。夏はもちろん冷たい " そうめん " ですが、案内書きによりますと冬は「鯛麺」に…って楽しみじゃんね。
夕食にはお寿司や葉生姜&エシャロットで一献といったいつものヨッパ状態突入でしてね、だらだら見ているテレビニュースでは各地の豪雨被害などを伝えております。線状降水帯が発生して…などと気象用語も流れてきますが、コッチは煽情好酔隊だぜ…などとくだらない駄洒落で応戦するわけです。
ただそんな晩酌タイムになっても昼に食した" そうめん " のことが頭から離れずにおりましてね、いよいよ購入手続きに入らなければならないことを決意したヨッパであります。
◆熊本県玉名郡の南関町ホームページより「南関そうめん」
https://www.town.nankan.lg.jp/page1617.html
■ 庭風景 葉月 青楓
熱気が押し寄せる日中でも
庭の青楓が木陰や木漏れ日の美しいグラデーションを作ってくれております
夏の冷菜には風流な飾り物として必要な青楓ですが
やっぱり葉を切るのはちょいと抵抗がありますな