■ ナメてはいけない餃子リストラクチャ
俳優でコメディアンの三宅裕司さんがMCを務める「ふるさと探訪／こだわり田舎自慢」という番組をよく視聴します。視聴者の思い入れや思い出の詰まった田舎自慢を訪ねてニッポン各地を取材してまわる番組ですが、先日は神奈川県の松田町でその拘りを発掘されておられました。
その中のひとつに『餃子ラーメン』なるものがありまして、ごくフツーのラーメンに焼餃子をトッピングしたものはアチコチで見聞きするものなのでベツに…と思っておりましたけれど、どうやらそれは早トチリでありまして、三宅さんのもとに運ばれてきたソレはちょいと衝撃テキなひと品なのでありました。
ラーメンにど～んと山盛りとなっているのは " 餃子の具 "…皮のない餃子のナカミをラーメンにぶちまけちゃいましたみたいな塩梅です。うっ、なにこれ…でも美味そうじゃん。
ご本人は非常に美味しそうに召し上がっておられます。ありそうでなかった発想のラーメンに強い感動を覚えておられるようでありますし、ただただ変わったレシピに驚いているばかりではなく、心から美味しいと感じられている様子を画面から察することが出来ました。
いいねえ、コレって即コピーできそうだし早速ジッコーしちゃおうかしら…と哀愁のイナカ町スーパーでは真っ先に精肉コーナーに向ったエロおやぢであります。
餃子の餡を練るのは久しぶりでありましたが、そいつをフライパンでサッと炒めたらニラ・モヤシを加え、ラーメンスープをジャジャ～っと注げば出来上がりです。ん～何てカンタンな調理でしょう、そしてこれまで食したことのない旨さを湛えたラーメンが目の前に現れるわけですよ。
おぉ～確かに餃子っぽいお味ですがスープや麺への馴染みもよく、また一緒にクチに運んであぐあぐする時の快感がエクセレントです。そして挽肉の旨味とニラ・モヤシ食感が紡ぐツイン攻撃にはもう為す術がありません。美味い、ちょ～美味い。
『餃子ラーメン』と云うベタなナマエに引きずられてしまいますが、ジツはナメてはいけない餃子リストラクチャでしょう。地方都市の小さな食堂で " まかない料理 " として誕生したこのラーメンに絶賛の拍手を送りたいですね。素晴らしいお料理をありがとうございました、改めて御礼申し上げます。
■ 文月の庭風景 空蝉の候
静寂を 木蔭に残し 蝉時雨
陽が昇れば人との会話さえ遮ってくる蝉時雨。あぁ夏だなあ…大っキライな夏だけど、この蝉たちの大合唱には不思議と煩さは感じません。最近は蛙の合唱にも騒音だの田圃所有者の責任だのと呆れたクレームをつけてくるイカレ野郎がいるらしいけれど、蝉の合唱にはケチをつけなくていいのかい？と怒鳴ってやりたくなります。
そんな蝉時雨をよそに、こうして木蔭には静寂な時間が流れております。今は暑くて苛立ちが募るばかりの日々でありますが、蝉たちもその天寿を全うして静かになったころ、こんなシーンを見ては寂しく思うのでしょうね。
そう、毎年のことなんだけど…やっぱり寂しくなるんだろうなあ。
