柚子胡椒

『柚子胡椒』を自家製する

数年ぶりのヤル気モード

柚子を収穫する度に「あぁ柚子胡椒を作りたいなあ…」と脳味噌の片隅に浮かんでくるものがあるのですが、なんだかメンドっちいような気がして見送ってしまっていたこの数年です。

ところが今年はナゼかヤル気モードに入ってしまったわけですよ、近年の流行りコトバで云いますとスイッチが入った…って言うのでしょうか。
スイッチと云うものはオンとオフを切り替えるものでありまして、その中間点は存在しないわけですよね、スパッとオンかオフ…そこにヒトの心の機微なんてものは介在しないわけです。
しかし実際の生活ではヤルかヤラないかの間で揺れ動くものがありましてね、その作業工程を想像してはあんな道具が必要だとか、こんな工夫や下準備をしなければならないなど、複雑に絡み合ったものがウネウネと脈打つわけですね。

もちろん出来上がった柚子胡椒をいただく姿もその想像の中に含まれているわけで、鶏肉に塗って焼くとか、パスタのアクセントにしてみることや、サラダやサンドイッチへの応用など、使える守備範囲がものすごく広いことがその夢を大きく膨らませてくれるのですな。
それでもなかなか踏み切れないのはナゼなのでしょうねえ…これが常用している新潟の「かんずり」みたいなものでしたらある程度大量に消費しますし、その使用レシピも容易に引き出すことが可能なのですけれど、やはり九州がその製造ルーツになっている香辛料ですと馴染みが少なくてパッと活用術を想起しにくいところもあると思います。
そんなワケであーでもないこーでもないと逡巡し戸惑い躊躇い二の足を踏むわけです。知識量とスキルの少なさが背後にあって、なかなか前に進むことを拒ませてしまうようです、この辺りが単なるスイッチと呼べない所以でしょう。
それでも柚子胡椒作りを決意させたのは、これだけの量の柚子をなんとか使い切りたい、せっかく実を結んだのだからムダなく胃袋に収めたいといったモッタイナイ精神(別の言い方ではケチ根性とも言いますが)がエロおやぢの根底に流れているからなのかも知れません。

フォトの柚子は結実した全量ではなく、年末年始お正月用にある程度を樹に残してある量です。このほとんどは果汁を搾って冷凍保存しました。けっこーテマヒマかかりますので二日間に亘っての作業となりましてね、合計で6Lほどの100%柚子果汁を得ることが出来ましたよ。

柚子胡椒の調製準備

あまり大量に作っても使い切れない恐れのある柚子胡椒ですから、柚子は10コほど、青唐辛子は50g(約10本)程度の仕込み量にセーブしておきます。どちらも細かく刻んでは塩と混ぜ合わせ、摺り鉢で根気よくスリスリするわけです。
シゴト以外でこれだけの忍耐を発揮するのは、写真撮影やギター練習以外にはないような気もします、なにせズボラが日常に蔓延している昨今ですので。

柚子胡椒   Nikon Ai-S Micro-NIKKOR 105mm F4  SONY α7

ゴリゴリズリズリと音と振動に翻弄された30分間ですが、ようやく滑らかなクリーム状部分と粗く鮮鋭な風味を放つ部分が混在したものが出来上がりました。よしよし、これくらいにしておこう。
ちょいとナメると溌溂とした青唐辛子の刺激と柚子の柔らかな香りがカオスになった原始の柚子胡椒になっています、おぉ~上出来じゃねえか!思わず笑みがこぼれます。
作りたては未だ青臭さみたいなものが支配していますので、少しだけ寝かせて落ち着かせましょう。一カ月くらいで大丈夫かな…その間にこの使い道をジックリと考えましょうか。とにかく楽しみです。
 
 



師走の庭風景  檀と萬両


部分的に紅葉している檀です
大きな枝のものはまだ青味を残していますが
末端の枝先は突然に紅くなっていたりもします
淡いピンク色だったその実もいよいよ色濃く…

師走の庭風景 檀の先走り色づき   RICOH XR RIKENON 50mm F2  SONY α7

 
 


サスガに師走ともなれば萬両の実も真っ赤に熟します
ちょっと前までは青い部分が混じっていた姿が嘘のようですね
新年の冷涼な空気が似合うこの色
美味しくないのか野鳥さんも啄みに来たりしません

師走の庭風景 完熟萬両   Carl Zeiss YC. Planar 50mm F1.4 T* MMJ  SONY α7