■ 赤海老のトマトソースパスタ
老舗イタリアンで味わう極上プリフィクス
静岡浅間神社への初詣、その帰路に立ち寄った老舗イタリアンのお店です。
当家の墓があるお寺に近いこともありこれまで何度か利用させていただいておりますが、covid-19 のこともあってちょっと遠ざかってしまっておりました。母上とは何度も何度も「また行きたいよねえ…」と話をしておりましたが、ようやく今回そのジッコーと相成ったわけです。
調べてみると最後にお邪魔したのは2020年の年末...あぁやっぱり例のビョーキ蔓延の真っ最中ですね、まあ仕方のないことでした。未だに収束はしていないけれど、それでも以前よりはマシな状況になってますよね。インフルエンザも含めて細心の注意は必要ですが用心深い対策でなんとか乗り切りたいものです。
さて今回は土曜日と云うこともあってランチメニューに若干の制限はありましたけれど、それでもお値打ちなプリフィクスのコースがありましたのでお願いすることにしました。
アンティパスト、メインは数種類の中からチョイス可能なパスタ、デザート、ドリンク...とお手軽ながらもリッパなプリフィクスが設定されておりまして、パスタが好物の母上も大喜びです。
そのアンティパストはライスコロッケと鴨肉、ポテトサラダに生ハム、玉葱のオムレツ…どれも上質な食材と上品な調味で、平素はクチにすることのないプリモピアットに舌が湧きたつように震えます。
メインのパスタはシンプルなトマトソースのパスタに赤海老をフィーチャーしたものを選びました。素晴らしい鮮度の赤海老ですねえ…ふんわりと柔らかく、そして舌触りや香りに気配りがあり瑞々しい仕上がりの赤海老、本当に甘くて美味しい。フィニッシュにカリカリにしたパン粉が振りかけられていて、これがまたトマトソースを吸って絶妙な風味を生んでいるのですよ。
いつも感心するのはこちらのパスタのアルデンテ加減が抜群であることですね、イタリアの方はもっとコリコリに硬いものを好むようですが、我々ニッポン人は蕎麦うどん文化の伝統があるので、もう少しだけ柔らかくコシを残したスタイルを好みます。その辺りをジツに上手くコントロールした調理技術、あるいはその精神といったものに最上級の称賛を差し上げたいのです。
トマトソースと云っても甘くマイルドな調味ではなく、どちらかと云えばアラビアータに近いホットさを兼ね備えているのが特徴で、赤海老の甘さにちょうどジャストな対峙が生まれるところが食べても食べても美味しく感ずる由縁でしょうか。サイドに供されたピスタチオナッツが忍ばせてあるパーネがまた絶妙な塩加減で、上質なバターの風味にオカワリを要求したくなる美味しさなのです。
コースのラストはデザートですが、この日は特製のティラミスということです。おぉ~なるほど、滑らかで風味の佳いマスカルポーネチーズがたっぷり含まれていて、いつも食している安物ティラミスのようなクドいコーヒー風味とは無縁のものです。スポンジにシミ込ませてあるエスプレッソコーヒーはかなり控えめのチューニングで、はんなりと漂う苦みの精が上質なドルチェであることは間違いありませんし、その語原となっている柔らかさとか優しさと甘さをそのまま具体化してある逸品かと思います、もう本当に素敵です。
ゆったりと食後のコーヒーをいただきながら、初詣のことや久しぶりにお邪魔したこちらのお店の素晴らしさを語りました。まあたまに訪れるから余計にそう感ずるのかも知れませんけれど、やっぱりディナータイムにお邪魔してワインやグラッパを楽しみながら、ぜひこちらのお料理をいただいてみたいものだ...と改めて思う次第です。
Photo : Carl Zeiss Batis 2/40 CF SONY α7RM5 / SONY XPERIA 5
◆リストランテ ROMEO(ロメオ)
http://www3.tokai.or.jp/romeo/
静岡県静岡市清水区江尻台町1−26
TEL=054-365-6792
ACT= 平日 11:30-14:00 / 18:00-21:00 月曜定休
ACT= 土曜 11:30-14:30 / 18:00-21:00
ACT= 日曜 11:30-14:30 / 18:00-20:00