わらじかつ丼


MeganisteJaponの『秩父オフ2008』に参加する最大のモクテキは、このカツ丼を食すコトであった。
第二経由地である道の駅・龍勢会館で一呼吸したメガーヌやアルファ147は、歌舞伎で有名な小鹿野町にある“わらじかつ丼”の店を目指しカルガモ走行をするのであるが、曇り後雨の予報に反して秩父のテンキは晴れて気温が上昇しかなり暑い。

なんとか駐車場にクルマをネジこんで店内に着席、いざ注文なのだが誰もホカのメニューには目もくれずひたすら「カツ丼」なのである。ソレもそのハズで、今回のオフを企画された梅成亭弟子丸氏のブログにはココの“わらじかつ丼”がバックリ掲載され、見た者の目に焼きついただけではなく、もーほとんどココロがコゲてしまった状態だったのだろう。
ナニを隠そうボクもその一人であり、実現できるコトが判ってしまうと現地までの距離などと云うモノはどーでもよくなってしまうのね〜
テーブルで今や遅しと待ちわびるボクたちに、厨房からタイコを叩くようなオトが聞こえてくるではないか。おそらくニクの筋を柔らかく伸ばす作業をしているのだろうが、そんなリズムもまたアペリティフのように胃にシミ込んできては楽しい会話の肴に変化してゆく。
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さてさて、いよいよ待望の“わらじかつ丼”が運ばれてきた。フタを取るとドーン!と二枚、ドンブリを覆い尽くすトンカツが乗せられている。え〜い!兎にも角にもガッツリといこーではないか…
柔らかい♪ そして甘辛いタレが…♪
予想に反してと云ってはお店の方に失礼ではあるが、こんなにソフトなトンカツとは思わなかった。カラクリは肉の部位にあり、フツー使用するロースではなくヒレを使っているからなのね〜 多分二枚貝を開くように広げたヒレをトントンと叩き柔らかに成型してパン粉をつけているのであろう。
そしてもう一つの特徴は「ソースで調味と思い込んでいた」我々を仰天させたのがそのタレなのである。もう殆んど天丼のタレに近い状態の醤油ダレであり、豚肉に施された塩胡椒とフシギなマッチングであっさりと食べさせてくれるのだ。
ウ〜ム、ただデカイだけではなかったのだ…
二枚のトンカツが乗せられているのは昭和の初期からこの地域に伝わる伝統風習を模したもので、今のように食材が豊富でなかった時代に一枚は一杯の肴に、そしてもう一枚はゴハンのオカズに…というイミを持つと店内のポスターに説明されていた。
ナカナカに奥深い秩父の豚肉料理なのである。 



わらじかつ丼『鹿の子』
埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野3603
TEL:0494-75-0069
地図