『寒ブリのお刺身』で考えたこと

今年も富山ではブリが不漁らしい。同じ不漁と言っても壊滅テキな水揚げ量らしく漁業関係者は深刻な表情でテレビ番組のインタビューに応えていた。


今年「も」と書いたのは昨シーズンも著しい不漁で漁師だけでなく名物の“かぶらずし”などを製造する業者も真っ青な状態だったと聞く。当初は温暖化による海水温の上昇で成魚が富山湾に入って来ないため定置網にかからない…と説明がなされていたが、どうも実際はソレばかりではないようだ。
確かに水産資源の変動によって漁獲高は減少しているが、成魚が獲れないので次第に幼魚、つまり富山辺りで「フクラギ」と呼ばれるイナダ・ハマチサイズを乱獲してしまうことが結局大物への成長を阻んでいる…と水産研究者が分析していた。ソレならそんな小さなヤツは獲らなきゃいーじゃんと思うのだが、富山の漁師たちはお互い疑心暗鬼になっていて目先の利益欲しさにフクラギ漁をやめないのだと云う。
水産加工会社の冷凍倉庫には売れ残ったフクラギが何十トンも山積みされていて今後のメドも立っていないという悲惨な状況、オマケに浜値も下落していて維持経費だけが上積みされてゆく悪循環に(どうしてコントロールできないのか)という思いを抱いた。
北海道や東北の漁師たちは禁漁期間や漁獲高の自主規制を設けて資源の保護と市場の安定化に努めている。一時期全く獲れなくなったハタハタは秋田の漁師が三年間禁漁することによって見事に復活を成功させた。駿河湾でも名物の桜海老やシラスはきっちりと禁漁期間が守られている。
富山の漁師さんたちもそろそろ本気で取り組みを始めないと恐ろしいコトになるに違いない。九州で水揚げされ運ばれてきたブリの刺身を食しながらそんなことを考えた。


越中とやま「食の王国」(富山県農林水産部農産食品課)
http://www.shoku-toyama.jp/




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6:30AM, January 05. 2011. @Fujinomiya-City