■ 栽培ヤマイモの New Face「ネバリスター」
天然モノのヤマイモ「自然薯」も近年は栽培農業によって比較的安価に入手できるようになりました。豊かな栄養と圧倒するように強い風味そしてキョーレツな粘りは古来から滋養食として珍重されてきましたけれど、ムカシは山に分け入り苦労して収穫してきたものを人工栽培でもほぼ遜色ない美味しさでいただけるのは有難いことかと思います。
歌川広重による東海道五十三次の浮世絵木版画にも登場する駿府鞠子宿(現静岡市丸子)の老舗とろろ汁店のご主人が昭和に入ってから開発したその栽培方法で、貴重で高価な「自然薯」はイッキに庶民派に近づいたわけです。
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市場に流通しているヤマイモ類はその「自然薯」のほかにゴツゴツ掌のような「大和芋」と青森県などで主に栽培される「長芋」がありますけれど、先日岐阜県系スーパー某Vで見つけたものは「ネバリスター」というベタベタなネーミングの新品種であります。大和芋と長芋をかけ合わせたもので、粘りや風味と扱いやすさのバランスに優れたものであることが想像されます。
産地は北海道の幕別町、十勝平野に位置し畜産業や農業の盛んな町であると共にその気温の低さでも有名です。スピードスケートの高木姉妹の出身地としても知名度が上がりました、冬季は非常に寒いので良質な天然リンクを作りやすいのでしょう。
さてその「ネバリスター」を早速お試しであります。
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ヤマイモ料理の大定番『ヅケまぐろ山かけ』ですな、安価な鮪もヅケにすれば美味しくいただけますし栄養価も高いのでちょくちょく当家の食卓には登場しますが、母上の好物であることもその理由でしょう。
おぉ~、確かに「大和芋」と「長芋」のイイトコ取りです。ほどほどの粘りと豊かな風味があるのに扱いやすい棒形状、これはいい。ちゃんと自然薯テキ美味しさがあるだけでなく値段は庶民派をキープしていて嬉しい存在ですね。
夏は「長芋」のさっぱり感がいいし、冬は「大和芋」のコクが欲しくなる…でもこいつならいつでもオッケーみたいなところが次回の購入動機になりそうです。