■ 銀鱈の西京味噌漬
今は昔の高CP
今も昔も変わらないものに " 居酒屋ランチ " というものがあります。本業の居酒屋メニューで仕込んだものを転用できるなど、食堂専門店に比べてコストパフォーマンスの高いランチメニューが多く、かつて勤務していた機械商社の支店があった大田区大森駅近くの大衆居酒屋Mさんはよく利用したものです。
前夜はデロデロになるまでヨッパだったくせに、翌日のランチにはツラっとした顔で訪れては大将に「いや~昨日はどもども…」などと挨拶するなど少々小っ恥ずかしい思いもしましたが、ワシワシとハラいっぱいになるまで昼めしを喰えばそんなことは忘却の彼方なのであります。
そんなランチメニューの中で一番印象に残っているものは「銀鱈の照焼定食」でありまして、大きな銀鱈の切り身には豊かな脂がのっている上に、とろとろで柔らかな身肉と甘辛い照焼タレのコンビネーションがたまらなくゴハンに合うセットだったわけです。あぁあの頃は銀鱈は安くて美味しい魚だったなあ…主に北米海域で漁獲される魚で、ほとんどが冷凍輸入されます。
脂のりのよい淡白な白身はトロトロに柔らか…ってことでその後の人気は急上昇、今や高級な魚種となってしまいました。冷凍切身やこういった加工品はよく目にしますが、小さいものが多くなった上にお値段は信じられないくらい高騰しました。昨今の物価高がそこに追い打ちをかけ、平素のお惣菜には少し躊躇する価格帯です。残念なことでありますねえ、今は昔の高CP…もうあの時代は帰ってこないのよ。
それでもこの美味しさが忘れられずにときどき購入してきます。冷凍切身なら照焼に、そしてこうした西京味噌漬も銀鱈の美味しさを引き出してくれる調理法ですね。
フォトは真っ黒コゲみたいに見えますが、元々が黒っぽい皮を纏った魚体なので、強めに焼き上げるとこんなカンジになってしまいます。もしかしたら皮は剥がしてから焼いた方が見た目には良いのかも知れません。それにしてもやっぱりめっちゃ美味い魚ですねえ、北海道にいたころよく食した " メンメ " によく似たお味と食感です。
折しもこの時期になれば登場する枝豆、清水の駒越地区で栽培されているから「駒豆」か…風味豊かで甘い枝豆です。塩茹でしたものをつまみながら冷酒をクチに含みぐびりと喉を鳴らします。そして「あ~もっとデッカい切身の銀鱈が喰いてえもんだよなあ…」などと、ふてぶてしく呟くエロおやぢであります。
■ 水無月の庭風景 もうおしまいの花たち
ほとんどのホタルブクロはみすぼらしい姿になってしまいましたが
未だシャキッとしたものも少し残っておりまして
ようやく見つけては曇天の下で撮影します
数日中には刈り取りかな…
高貴な黄色に包まれた薔薇もその末期には白色化し
こんな紅い斑点が浮かんでくるものもあります
そして最後に花弁を落とした黄薔薇は
燃え上がる情念のような花芯を露わに…