■ タコのカルパッチョ
知人から " フィンガーライム " という珍しい果物をいただきました。元々はオーストラリアで栽培されていた柑橘で、爽やかな酸味と独特の芳香…それよりも果肉がぷちぷちツブツブ…そう、まるでキャビアのようなカタチと食感を持っているのが特徴なのです。
果実のカタチが指のようなのでフィンガーライムの名が付きましたが、その果肉の高級感溢れるヴィジュアルから " フルーツキャビア " あるいは " キャビアライム " とも呼ばれているようです。
色は三種類…ピンクがかったもの、グリーンがかったもの、グレープフルーツのようにややイエローがかったホワイト…見事な光沢を放ちプレミアム感がありますよね。近年欧米のフランス料理のシェフたちがこぞって採用しているのも頷けるハナシであります。
さてそんな " フィンガーライム " を『タコのカルパッチョ』の脇役に据えてみたエロおやぢであります。黙って差し出されたら全体に散らばっているものがフルーツだとは誰も気が付かないでしょう。
タコのカルパッチョはテメーで作ったソースも相まってとても美味しくいただきましたけれど、この " フィンガーライム " が素晴らしいアクセントになっております。タコのぐにぐに感に反抗するかのようにぷちぷち弾ける食感、同時に飛び出してくる柑橘の酸味!あ~めっちゃ面白い、そして知らず知らずのうちにそのトリックに墜ちてゆくのよね、いいじゃないか美味いじゃないか。
こうしてお味と香りと見た目は申し分のない " フィンガーライム " でありますが、ひとつだけ難点があります。それは果肉の取り出しにくさったらありゃしない…てなことなのですよ。硬い果皮に切り目をつけて割っても指で取り出せず、スプーンなどを使ってこそぎ落すような感じですかね、しかもペクチンのようなベトベト粘りが表面を覆っているのでそのままではうまく散らばってくれません。ボクは軽くオリーブオイルを回しかけて扱いやすいようにしましたが、ニッポンの一般家庭での普及はこの辺りの解決方法がキモになりますか…とっても魅力のある食材なんですけどね。
海鮮のカルパッチョですからスパークリングの白ワインをいただきましたが、スタータは例によってビールであります。
限定商品の「冬の鬼ビター」、うんと期待してたんですけどねぇモノホンのビールの苦みとはちと違うような感覚、確かに苦みは強いんですけど浮いたカンジとでも言いますか、少しガックリの結果であります。う~ん、リピートはありませんね。