とうとう見つけた『紅染め叉焼のラーメン』@助六食堂

横浜中華街に行くと今でも表面を食紅で紅く染めた叉焼が売っている。けっこーキョレツな色素を使っているらしくとても鮮やかに輝いていて見た目に楽しい。
お目出たい色である赤を多用するのは中国や台湾の習慣なのだろうが、ソレにしても食べ物にわざわざ着色まで施すとはかなり自己主張の強い民族の証だろうなあとも思う。

そんな紅染め叉焼はコドモのころ外食でラーメンを食せば必ず乗っている具材の一つなのであって、真っ赤な縁取りにはなんともココロ踊るものがあった。
時代は変りそうした食品添加物が少なくなっていったせいか、ラーメン屋に行っても紅染め叉焼を見かけることはすっかり無くなってしまった。ボクが最後に食べたのはまだ二十代の前半、静岡市音羽町清水公園の前にある中華料理屋さんで食した一杯のラーメンだったと記憶している。
その時でさえ「ああっ!懐かしい…」とカンゲキしたくらいだ、もうすっかりそうした習慣は絶えてしまったと思ってはいたものの、心のどこかで探し求めていたのかも知れない。昭和レトロと呼ばれるような古びた食堂やラーメン屋を見つける度に、つい暖簾をくぐってみたくなる衝動に駆られるのもそうした潜在テキ欲求があるからなのだろう。
先日その公園の近くに行く用があったので行ってみると、そのお店は跡形もなく消去されすっかりキレイな街並みに変身していて残念この上ないのであった。(ああ、もうダメか…)と諦めていた矢先、ふと立ち寄ってみた富士市の食堂でその紅染め叉焼と出会うとはユメにも思わなかったのね、いや〜長生きはするもんだ…って違うなあ、生きていてよかった…コレも違う!まあとにかくウレシかったのである。

記憶の赤はもと鮮やかクッキリだったような気もするが、人間の記憶とはいーかげんなもので今のように本当にカラフルな色彩に溢れている時代ではなかったのでヨケーに鮮やかに見えたのかも知れないし、いーかげんな記憶とはボクの個人テキ資質とその問題によるものなのかも知れないのでこれ以上の言及は避けておくべきだろう。
いづれにしてもクラシックな醤油ラーメンに乗った一枚の叉焼はこのお店で食すコトが出来ると判りひと安心なのであった。しかし絶滅危惧種であることに違いはなく、遠からぬ先には消滅してゆく運命の食材だろうなあ。
ところでこのラーメン、ダシよりも醤油がキーンと利いたスープでお味もクラシックだ。脂少なめ清く澄んだスープに細縮れ麺、ナルト巻、シナチク、板海苔、刻みネギと超コンサバティブなスタイルが貫かれていて、ボクはなんだか暫くの間コレ系のラーメンを求めることになりそうな予感がしてきた。



助六食堂
静岡県富士市天間1542-9
TEL=0545-71-2219

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今朝の富士山
やはり立春ですね、カスミがいっそう強くなっています



7:11AM, Feburuary 04. 2011. @Fujinomiya-City