春の野草・独活(ウド)を食す 『酢味噌あえと天ぷら』

例によって農民市場に行くとウドが売られていた。栽培モノとは違い小ぶりで硬くシマった様子は一目で天然モノと判る。


小学生のころはよくウドを採ってきた。ガッコーから適度な距離にある釧路空港近くの山林や野原にはソレこそ小学生でもホイホイ見つけられる程のウドが自生していて、遠足に行ったボクはガキのくせにそんなモノをどっさり持ち帰ったりしたものだった。
コドモが食すには苦みや香りが強すぎて、親が嬉々として酢味噌和えなど食しているワキからその一片をつまみ食いしては「うへ〜」と苦渋に満ちたカオになってしまうのである。
ソレでもナゼかその独特な香りには魅せられるものがあって、ポキリと折ったその切り口の匂いを嗅ぎながら家路を急いだりしたものだ。
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栽培モノは埼玉あたりでよく生産されているらしく、地下壕のような場所で陽に当てずに白く太いウドを栽培している様子を先日テレビで観たばかりだ。
いわゆる“東京うど”と呼ばれるもので、香りや苦みは希薄な為に生のまま酢水に少々さらせばそのまま食べられる。細切りや薄切りにしなくてもザクッと乱切りにしたものなどはボリボリと食感も爽快で、ソレはソレでなかなかに美味しいものである。酢味噌のホカにマヨネーズにもよく合い、洋野菜のセロリによく似た感覚だろうか。
ところが天然モノの場合は一転してアクやエグミも強く、キョーレツな苦みや香りが虫も寄せ付けないのでは…と思う程個性テキな植物で「あ〜元々はこーだったのね」と原始に還ったキモチとなる。
当然そのまま食すのは少々辛いものがあるので、少しの時間だけ酢水に晒してアクを抜いたあと熱湯にサッとくぐらせて柔らかな香りにしてやる必要がある。
茎の部分はこうして酢味噌あえにしてやると春の香りに満ちたひと品が出来上がるが「葉は天ぷらにすると美味しい」という話を小耳にはさんでいたので同時にジッコーしてみると、コレが美味いのなんの♪ってさ…
タラノメやフキノトウ?おとといやって来いってんだ〜みたいに美味いのである。もしかしたらコレは山菜天ぷら界では隠れチャンピオンかもしれないのよ。



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