生産量日本一の静岡『葉生姜』

葉生姜と書くより谷中生姜と言ったほうがピンと来るヒトは多いかも知れない。いわゆる新生姜のハシリで、サワヤカで穏やかな辛味が夏の晩酌のお伴には堪らない存在なのである。

生姜は各種の料理に欠かせない香辛料・薬味なのでニッポン全国ドコでも栽培されているのかと思ったら、この葉生姜に限っては静岡と千葉がほぼ同じくらいの生産量、二県合わせて全国生産量の8割近くなる…という偏ったデータだった。フツーの古根生姜は高知県産が6割を占めるというから、ただ単に収穫タイミングの違いというワケではなく根本テキに育成方法が異なるのだろう。
若干の亜種はあるかも知れないが国内海外を問わず生姜はほぼ一種類のようで、大きな根から細い軸のように出てきたものを“矢しょうが”、もう少し大きくなって小指ほどになったモノを葉付きで出荷するものを“葉しょうが”、次いで新生姜、古根生姜(土生姜・大生姜・ヒネ生姜)となるようだ。
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その鮮烈な香りと辛味が邪気を掃うと言われ、わが国でも生姜節句が設けられたり神社などでも“しょうが市”が催されている。薬味として欠かせない存在なのは食欲増進や殺菌作用などよく知られた効果に加え、クチ直しや口臭防止のエッセンスとしても有効だからなのである。


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味噌漬や酢漬といった食べ方も美味しいが、やはり獲りたての鮮やかな色や香りを楽しむにはナマで食すのが一番だ。ボクはパチンと割って冷水に浸しておいたものに味噌をつけてカジるのがサイコーに好きで、酒の肴でなくとも朝食の一品として食すコトもしばしばだ。
アセをよくかく盛夏の朝には、パーンと発せられる辛味と香りが一日のゲンキをもたらしてくれるような気がしてパリポリ心地よい歯ごたえとともに楽しんでいる。
間もなくシーズンも終わりだが、ナゼか農民市場には新鮮な葉生姜がまだまだ並んでいてもう少しの間その恩恵に与るコトができそうだ。





Sora



5:14AM, September 07. 2009.