今シーズン初めての『ところてん』

夏は『ところてん』なのである。コドモのおやつっぽいが、ナゼか酒の肴にもオッケーなのは酢醤油で食すのが酢の物テキであるからだろうか。いずれにしてもボクは夏になるとコイツが楽しみなのだ。
港町・清水ではその昔、コドモ相手の駄菓子屋には海ツボの茹でたものと一緒に必ずこの『ところてん』が置いてあった。水道水が流しっぱなしにされたブリキのバケツに浮かんだ『ところてん』の棒を例の専用器具で椀に突き出し、酢醤油をチャッとかけてくれるだけのシンプルなやつ…ボクはダイスキだった。
それから北海道釧路に住むようになりしばらくご無沙汰だったが、静岡に戻って一発目に食したのはその『ところてん』だった。時代はすっかり変わっていてシンプルなスタイルは既に過去のもの、胡瓜の千切りや刻み海苔・白胡麻などがトッピングされ高級化していた。ところがコレが美味いったらありゃしない!こうなるともうコドモの駄菓子ではなくリッパな料理である。以来自宅で『ところてん』を食すときはこうしたセッティングでしかやらなくなってしまった。

ところでこの『ところてん』は漢字にすると“心太”、由来は諸説あるようなのでここでは省略するが、伊豆へ遊びに行くと「伊豆の心太・名物ところてん」と書かれた看板をよく目にする。(イズノシンタ?何それ…)てなカンジでその漢字を未だ知らなかったころは商品ブランドかと思っていた。ガクのないのがバレバレですな、お恥ずかしい。
父上がまだ健在だったころ伊豆の温泉旅館に母君と共に招待したことがあった。いいキブンで夕食を摂りヨッパで寝てしまったボクだが、その間に両親は温泉に入りに行ったようだ。目が覚めるとちょうど部屋に二人が戻ってきて「土産コーナーに心太が売っていたよ」と包みをブラさげていた。好物でもあるしクチが卑しいボクは早速その心太を食すのである。
確かに伊豆の銘産なのでトコロテン自体は美味いのだが、添付されていたタレがやたらに酢がキツくてムセながら食べたことがあった。
『ところてん』を食べる度にそのことが思い出されて可笑しくてならない。






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蒼々と夏富士



5:19PM, July 14. 2011. @Fujinomiya-City